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2004 年度 実績報告書

ヒューマノイド型ロボットによる摂食・嚥下障害のメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 16659562
研究機関昭和大学

研究代表者

道脇 幸博  昭和大学, 歯学部, 助教授 (40157540)

研究分担者 斎藤 浩人  昭和大学, 歯学部, 助手 (20343501)
キーワードロボット / 摂食・嚥下運動 / 4次元MRI / 嚥下障害
研究概要

嚥下障害の診断と治療の確立のためには、嚥下の生理運動の解明が必要である。しかし、嚥下運動は口腔や咽頭で行われるスピードの速い複雑な運動であり、従来の方法ではその詳細を明らかにすることはできなかった。そのため、あらたな研究手法の開発が望まれている。そこでヒューマノイド型ロボットを製作して嚥下の生理運動を解明し、障害の診断と治療に役立てることが本研究の目的である。
初年度である今年は、ロボット用の基礎データの収集と4次元構築を行った。まず健常者の嚥下運動時の4次元MRIを撮像した。フレームレートは66msecとしたので、1回の嚥下運動で35フレームの3次元画像が得られた。次に、矢状断と水平断、冠状断の3方向について各動画を切り出して、口腔や咽頭腔、喉頭腔ならびに食道腔の形態変化を経時的に観察するとともに、これらの画像をトレースした。最後にトレース画をもとに舌の動きを模式化して、舌運動を再現する仕組みを検討したところ、波状運動を行っていると考えられた。
次いで、ロボットの材料を決定した。骨格系は、CT画像をもとに光造形技術によって製作し、軟組織部分はシリコンを主体として製作した。舌運動の再現に当たっては、舌骨の運動は嚥下造影画像のデータからモデルを作り、舌体や舌根の運動は4次元MRIのデータから再現した。舌のアクチュエイターはMcKibben型人工筋肉で、圧縮空気と電空レギュレーターを使ってPCで制御する方式、制御方法はシークエンス制御とした。
その結果ロボットの舌運動とMRIの舌運動を比較したところ、両者は極めて近似していたので、動作実験を行ったところロボットは固形物を咽頭に送り込むことを確認できた。本研究によって、舌の送り込み運動が再現できたことから、嚥下運動全体を再現することが可能であると思われた。今後の成果は、嚥下障害のメカニズム解明のみならず、代償法や治療法の開発につながると考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] 4次元MRIによる嚥下時の鼻咽腔閉鎖運動の観察2005

    • 著者名/発表者名
      道脇幸博, 他
    • 雑誌名

      日本口腔科学会雑誌 54(掲載予定)

  • [雑誌論文] 摂食・嚥下障害者への提供を目的とした米飯に関する基礎的検討2005

    • 著者名/発表者名
      齋藤真由, 道脇幸博, 他
    • 雑誌名

      日本口腔科学会雑誌 54(掲載予定)

  • [雑誌論文] 食べ易い食肉のテクスチャー特性と咀嚼運動2004

    • 著者名/発表者名
      高橋智子, 中川令恵, 道脇幸博, 他
    • 雑誌名

      日本家政学会雑誌 55

      ページ: 3-12

  • [雑誌論文] 口腔癌術後患者における摂食・嚥下機能の改善過程の検討2004

    • 著者名/発表者名
      難波亜紀子, 山下夕香里, 高橋浩二, 道脇幸博, 他
    • 雑誌名

      日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 8

      ページ: 156-166

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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