研究概要 |
1、bone marrow stromal celとβ-TCFブロックの3次元培養(BMSC/β-TCP複合体の形成) F344系6〜7週齢雄性ラット大腿骨より骨髄細胞を採取した。骨髄細胞は10%FCS alpha-MEM培地にて培養する。3日後に浮遊細胞を除去し、得られた付着細胞をbone marrow stromal cell(BMSC)とし、さらにBMSCがconfluentになるまで4日間培養を行った。その後、trypsin-EDTA処理を行い細胞を剥離した後、24-well flat bottom plate中で1X10^6 cells/mlのBMSCをβ-TCPブロック(2mmX2mm)上に静かに播種した。培養液中にDEX, vitamin C phosphate, β-glycerophosphateを含んだ骨形成培地を用いて2週間の3次元培養を行った。 2、BMSC/β-TCP複合体への遺伝子導入と皮下移植 培養終了3日前にBMSC/β-TCP複合体にHGF adenovirusを感染させた後、同系ラット皮下にBMSC/β-TCP複合体の移植を行った。またHGF遺伝子導入によるBMSCのアルカリフォスファターゼ活性について解析を行ったが、コントロール群に比べ有意な上昇はみられなかった。 3、骨形成の評価 移植後4週間目に皮下からBMSC/β-TCP複合体を摘出し、組織学的に骨形成について解析を行った。遺伝子導入群において良好な骨形成がみられた。しかしながらコントロール群においても骨形成は認められ、HGF遺伝子導入群とコントロール群との間に明らかな骨形成能の違いは認められなかった。また血管形成についてもコントロール群との間には差異はみられなかった。
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