研究課題/領域番号 |
16659566
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研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
上松 隆司 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 助教授 (40203476)
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研究分担者 |
山岡 稔 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (50064671)
古澤 清文 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (90165481)
松浦 隆 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (10298408)
上松 節子 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (80271378)
大島 嘉久 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (70340057)
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キーワード | 歯髄体性幹細胞 / 歯髄細胞 / 可塑性 / 分化転換 / 分化 |
研究概要 |
【目的】歯髄細胞が分化刺激に反応して異なる細胞に分化する性質(可塑性)と胚葉をこえた可塑性(分化転換)を有するか明らかにすることを目的として行った。本研究期間では、歯髄体性幹細胞の採取と分離培養ならびに培養細胞の形質について検討した。 【方法】ヒト歯髄は、同意を得た歯科矯正治療患者の便宜抜去歯を用いた。抜去歯から採取した歯髄組織は、10%牛胎児血清添加イーグル変法MEM培地を用いてExplant Culture法で培養した。歯髄組織からoutgrowthした細胞を分散後、5代まで継代し、分化誘導培地で培養した。細胞形質の同定には、アルカリフォスファターゼ活性の測定、コラーゲンタイプIの合成、アリザリンレッド染色のほか、分化抗原を免疫染色して検討した。 【結果】1)Explant Culture法で培養した歯髄組織からoutgrowthした細胞を分離することができた。実験に供するまで分離細胞はCELLBANKERで凍結保存した、2)0.1mMデキサメサゾン、0.05mMアスコルビン酸、10mMβ-グリセロフォスフェイトを含む増殖培地では、アルカリフォスファターゼ陽性細胞の増加がみられ、タイプIコラーゲンの合成も増加した。3)0.1mMデキサメサゾン、0.05mMアスコルビン酸、10mMβ-グリセロフォスフェイトを含む増殖培地の他、1mMポリリン酸ナトリウムを添加して培養した歯髄細胞は、象牙芽細胞様細胞であるBSP陽性細胞へと分化誘導されている可能性が示唆された。 【考察】現在までの研究では、1)歯髄組織には、歯髄体性幹細胞が存在する、2)デキサメサゾン、アスコルビン酸、β-グリセロフォスフェイトまたはポリリン酸ナトリウムを添加した増殖培地では、歯髄体性幹細胞が象牙芽細胞様細胞へ分化する可塑性を有していると考えられた。
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