ラットを用いた歯周組織欠損モデル確立に向け、非外科処置のラット(Wister系・雄)をエーテル吸入麻酔後、頸椎脱臼及びネンブタール過剰投与により屠殺。上顎第一臼歯部位を、周囲組織を含めて一塊として採取した後、4%パラホルムアルデヒドで固定し、脱灰標本及び非脱灰標本を通法に従い作製した。H-E染色標本にて同部位の解剖学的形態を観察し、菊池ら(2001)の方法を参考にし、上顎第一臼歯近心根近心に近心裂開型骨欠損(近心-歯根・約1.5mm・骨欠損最上部-欠損底部1.5mm・頬側-欠損底部口蓋側1.5mm)を作成することとした。またGDF-5の投与方法に関して、担体は欠損部位の大きさからCollagen sponge Honeycomb (Koken CSH-10)を用い、1000ng/mlのGDF-5含有溶液に浸潤後、投与、コントロール群としてBufferを浸潤したCollagen sponge Honeycombを投与することとした。以上の予備実験をもとに、ラット上顎第一臼歯近心根近心に対し、双眼式拡大ルーペ(サージテル)を用いて拡大視野の元、近心裂開型骨欠損を携帯型歯科用ドリルと骨ノミを用い注意深く作成。上述の投与方法に従い片側にGDF-5投与し、反対側にはコントロール群とした。その後、絹製縫合糸(6-0)を用いて手術部位の歯肉を一糸ずつ縫合した。現在・組織学的検索の準備中である。 また、ミニブタ実験系確立の準備として、CTを用いミニブタ下顎骨模型の断層写真撮影を行い歯根形態および下顎菅の位置等、解剖学的観察を行った。その結果、下顎両側第2前臼歯近心側に外科的一壁性骨欠損(5×5×8mm)を作成し、ラット実験系と同じくコラーゲンスポンジを担体として実験群にGDF-5・コラーゲンスポンジ複合体を埋植、反対側を対照群としてコラーゲンスポンジ担体のみを埋植することとした。
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