研究課題/領域番号 |
16659591
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
増田 敦子 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 教授 (70165710)
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研究分担者 |
小泉 仁子 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 助手 (20292964)
二宮 彩子 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 助手 (50332630)
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キーワード | 高血圧 / 触診法 / 上腕周囲 / マンシェット / 収縮期血圧 / 拡張期血圧 / 脈圧 |
研究概要 |
間接的に血圧を測定する聴診法の精度は多くの因子により影響を受け、特に上腕周囲とマンシェット幅の関係は重要である。米国では直接的・観血的に測定した実測値に近いとして、上腕周囲の40%のマンシェット幅を推奨しており、一般に日本で使用されている12cm幅に適した上腕周囲は、この基準によると30cmである。しかし、上腕周囲が30cm以下の痩せた成人や高齢者、あるいは若年女性の血圧を12cm幅のマンシェットで測定すると、実際より低めに測定され、高血圧が見落とされる危険がある。そこで、本研究では、各個人の上腕周囲により適合した幅と12cm幅のマンシェットでの測定値を比較検討するために、1cm間隔で7〜12cm幅のマンシェットを製作してくれる業者を探し、作製を委託した。 マンシェットが作製できるまでの期間に、12cm幅が広いと思われる上腕周囲28cm未満の高齢者と若年女性を対象に、12cm幅と小児用9cm幅のマンシェットで血圧を測定し、両者を比較した。その結果、平均年齢21歳の若年女性の平均上腕周囲は23.4cmで9cm幅での測定値を100とした12cm幅での測定値の%を算出すると平均の収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧、平均血圧はそれぞれ93.8%、87.3%、106.6%、90.1%であった。一方、平均年齢77歳の高齢者49名での平均上腕周囲は23.3cmで、血圧はそれぞれ93.2%、90.4%、99.2%、91.6%であった。平均上腕周囲がほとんど同じ若年女性と高齢者で共通している点は、12cm幅での測定値は収縮期と拡張期のいずれの血圧値においても、9cm幅での測定値より低く、特に拡張期血圧の方がより低く測定されたことである。しかし、若年女性では拡張期血圧が高齢者より低く測定されたために脈圧は逆に12cm幅での測定値の方が高くなった。今後は、各個人の上腕周囲により適合している幅と12cm幅での血圧測定値を比較し、聴診法による血圧測定の精度における上腕周囲の重要性についてさらに詳細な検討が必要である。
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