研究課題
この研究目的は、日常の育児動作や育児用品(Carry bag、揺りかご、baby carなどの使用)からの外的・物理的刺激によって、新生児・乳児の身体にどのような"揺れ""振動"として伝わっているのかを理学的に解明し定量化することである。そのための方法として、1)新生児・乳児への日常の育児動作や育児用品等の使用状況について、実際の場面を参加観察法にて測定し、"揺れ""振動"に注目して抽出する。2)実際の場面にそって、新生児・乳児のモデル人形を用い"揺れ""振動"を再現し、理学的に計測する。3)身体への過度の"揺れ""振動"のその影響を考える。これをもとに、看護研究に理学的な研究手法を取り入れることで、経験的に行われてきた看護ケアをevidenceに基づいて行われることが可能になる。今年度は、生後2か月前後の乳児と、育児を行っている母親に対して、日常生活場面における育児場面のビデオ録画を行った。現在、2組の事例を撮影している。来年度も日常の育児場面を録画する予定である。育児場面としては、授乳、抱く、あやす、揺らす、寝かせる、おむつの交換、沐浴などが抽出された。これらについて場面毎に、「揺れ」という視点(上下・左右・斜め移動等)からさらに、細かな分析を行う予定である。また、このとき、母親からの言葉がけなどの刺激もあり、児に対してのこのような刺激もみる。さらに、来年度、揺れを計量的に測定するための機器・分析のためのソフトを選定し、使用方法について確認している。