研究概要 |
I.重症患者の回復過程と体験の分析(クリティカル期から回復期自宅療養に至るまで) 1.侵襲的治療を受けた重症患者の体験についての文献検討 過去10年間の文献検討(89件)より以下のことが明らかとなった、検討は(1)急性の心臓疾患により治療を受けた患者を対象としたものが主であった。そのため,(2)疾患の特徴や回復の時期が大いに関与しているものと思われるが,これらの文献からは,患者は(3)発症し侵襲的治療を受けた後に,死から生への回復を体験しており,(4)回復を促すための支援としては,痛みや苦痛を取り除くことにくわえ,(5)患者の生きる意欲や精気を高めることが特に重要であることが示唆されていた。また,(6)患者の認知に働きかけ,現状認知を促すころにより,患者自身が回復の実感を持てるよう支援することの必要性が明らかになった。 2.侵襲的治療を受けた重症患者の回復意欲について これらの文献から,手術を受けた患者は(1)術後の経過の中で生じるさまざまな変化を回復の指標として捉えていることがわかる。そして,術後患者の回復意欲を高めるためには(2)患者と医療者との信頼関係が特に重要であろうとの提言から,(3)患者の体験を理解し,(4)適時に患者の回復意欲に働きかける看護支援の必要性が明らかになった。
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