研究課題/領域番号 |
16659612
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
明石 惠子 名古屋市立大学, 看護学部, 教授 (20231805)
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研究分担者 |
櫻井 しのぶ 三重大学, 医学部, 教授 (60225844)
辻川 まゆみ 三重大学, 医学部, 助教授 (40249355)
大石 ふみ子 三重大学, 医学部, 助教授 (10276876)
高植 幸子 三重大学, 医学部, 助教授 (10335127)
西出 りつ子 三重大学, 医学部, 助教授 (50283544)
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キーワード | 生体肝移植 / レシピエント / ドナー / 意思決定 |
研究概要 |
本研究は、生体肝移植レシピエントおよびドナーの体験からそれぞれにおける「移植」の意味を明らかにすることが目的であった。本年度は、これまでに明らかになったレシピエントとドナーの移植を決意するまでの体験をもとに、その関連性を検討した。また、レシピエントとドナーの移植手術後から1年間の体験についても明らかにする予定であり、それぞれ分析途中である。 1.生体肝移植レシピエントとドナーが移植を決意するまでの体験の関連 対象となったレシピエントとドナーは7ペアであった。レシピエントは40歳代から60歳代の男女で、病態は肝硬変、肝不全、肝細胞癌であった。ドナーは、20歳代から50歳代までの男女で、続柄は親子4組、配偶者3組であった。 生体肝移植を受けるまでの過程は、まず、レシピエント、ドナーいずれにおいても「移植でしか助からないことの察知」のなかで、医師または家族による「移植の提案」がなされた。それによってレシピエントもドナーも「移植への葛藤」を生じ、「周囲の人々の支え」、「移植医療への信頼」によって「移植への決意」が行われ、その後も「他者との関係調整」が続いた。この移植の意思決定は、ドナー先行型、レシピエント先行型、共同意思決定型の3つのタイプに分けられた。特にレシピエントの病態が悪い場合は、ドナーを中心とした家族による意思決定が行われ、その後にレシピエントを説得する状況があった。 2.生体肝移植レシピエントおよびドナーの手術後の体験 研究開始時の対象者はレシピエント、ドナーそれぞれ5名であったが、体調不良や遠隔などの理由で術後1年後まで経過を追えたのはレシピエント2名、ドナー3名である。それぞれの移植後の急性期、回復期の体験を分析中である。
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