研究課題/領域番号 |
16659617
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
佐藤 和子 佐賀大学, 医学部, 教授 (00196221)
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研究分担者 |
藤田 君支 佐賀大学, 医学部, 助教授 (80315209)
古賀 明美 佐賀大学, 医学部, 講師 (00336140)
安田 加代子 佐賀大学, 医学部, 講師 (90336123)
大田 昭英 佐賀大学, 医学部, 教授 (40128129)
八田 勘司 佐賀大学, 医学部, 助教授 (70269736)
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キーワード | 看護診断 / 診断指標 / 関連因子 / 看護診断教育支援システム / 適切性 |
研究概要 |
【目的】 NANDA看護診断分類法IIの情報枠組みをベースに構築された看護診断教育支援システムを用いて事例の看護診断の適切性について検討した。 【方法】 このシステムでは、オンラインで患者の看護過程の各段階を入力する。Webのリンク機能を活用することによって領域ごとに行ったアセスメントを自動的に一覧表にすることができる。この一覧表を基に、Web上でNANDAのラベルの定義を確認しながら、診断指標、関連因子を入力する。この一連の過程がWeb上で学習でき、学外からのアクセスも可能である。分析対象は、急性期の事例を自己学習した3年次の学生44名である。事例に対する看護過程のモデル案は、看護診断の使用歴が5年以上あるいは看護学修士を持つ研究者6名で作成した。肺がんの手術後2日目で、「急性疼痛」「非効果的気道浄化」「不安」のラベルが診断されていた。看護診断の適切性については、学生の看護診断とモデル案の一致率の比較を看護診断に注目して行った。 【結果・考察】 モデル案で示した3つのラベルをすべて診断した学生29名(66%)、2つ診断した学生10名(23%)、1つ診断した学生4名(9%)、まったく一致しなかった学生1名(2%)であった。3つのうち2つ以上の看護診断で、89%の学生が一致していた。本支援システムは学外からもアクセス可能であることから、学生は長期休暇中であっても学内と同じような学習環境が整えられる。教員は学生と同じ画面を共有し電話やメールでの質問にも応じることが可能であり、学生は自己学習の時間が調整しやすい。このようなシステムが看護診断の適切性を高めることにつながったと考える。また、一致率が低かった学生は、臨地実習で受け持つ患者の看護過程においても問題解決能力が低い傾向にあった。このシステムを用いることにより、学生の学習進度が即時に把握でき、看護過程の学習の到達度を早期に把握できることから、学生個々の能力に応じた指導が可能である。 【結論】 看護診断教育支援システムを用いた看護過程の学習における診断の適切性は高い。今後は、システムの活用方法について検討し、即時の看護実践支援につなげることが必要である。
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