研究課題
【目的】急性期看護領域における看護診断の妥当性を検討するとともに、逸脱した看護診断や結果の傾向を分析し、データベースの評価を行う。【方法】(1)成人看護実習で学生が受け持ったWebデータベースに入力した事例を対象に、看護診断の使用暦が5年以上あるいは看護学修士を持つ研究者7名で、診断指標や関連因子との照合により看護診断の検証を行った。(2)学生が誤診しやすい診断ラベルとして頻度の高かった「活動耐性低下」と「消耗性疲労」について選択の妥当性を質的に検証した。文献検討により2つの診断ラベルのもつ類似点と相違点の比較検討を行った後、1事例をもとに患者情報を両ラベルの診断指標、関連因子と照合した。【結果】学生が受け持った112事例において、明らかに逸脱したと思われる看護診断はなかった。しかし、「活動耐性低下」と「消耗性疲労」、「活動耐性低下」と「心拍出量減少」と「非効果的組織循環:心肺」、「感染リスク状態」と「非効果的抵抗力」などの看護診断ラベルについては検討する必要があると思われた。「活動耐性低下」と「消耗性疲労」における診断指標と関連因子の相違点として(1)患者の生理的指標と主観的指標の比重(2)介入の方向性の違いが示された。事例は、生理的な指標が実在し、関連因子の該当率は「活動耐性」の方が高かった。しかし、活動性を積極的に上げる方向で介入が望めない病期であった点から「消耗性疲労」の選択が妥当であった。診断指標、関連因子の照合は重要だが、該当率だけではなく看護診断ラベルがもつ意味や患者全体像を捉えた上で看護診断ラベルを選択することが大切であることが示された。これらの検証は全てデータベースから得た情報で行うことが可能であった。データベースのWeb公開に向けた整備は、現在進行中である。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (6件)
The 9^<th> East Asian Forum of Nursing Scholars
ページ: 141
看護診断 11 (2)
ページ: 206
看護展望 31 (11)
ページ: 1210-1216
第13回日本看護診断学会学術大会 12 (2)(発表予定)