研究課題/領域番号 |
16659625
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
中田 りつ子 信州大学, 医学部, 教授 (80274942)
|
研究分担者 |
柳沢 節子 信州大学, 医学部, 助教授 (90200534)
小林 千世 信州大学, 医学部, 助手 (30262736)
湯本 敦子 信州大学, 医学部, 助教授 (10252115)
鈴木 治郎 信州大学, 医学部, 教授 (90226522)
|
キーワード | 全村の集団健康診断 / 保健補導員の役割 / 看護職による保健指導 |
研究概要 |
平成17年10月17日から21日まで、研究統括者、研究組織メンバーである湯本敦子、小林千世の3名で、現地、ベンゲット州タバオで第4回の健診会場にて、一般健診参加者並びに保健補導員(baranguy health worker)、医療関係者を対象に、対象者別の調査用紙を用いて聞き取り調査を実施した。イロカノという地方語しか話さない人もいるのでパインカレッジオブナーシングの看護学生7名を雇用し上記調査を実施した。一般健診参加者310名、保健補導員23名、医療関係者15名、計348名から有効なアンケート結果を得ることができた。 一般健診参加者には、基礎情報と共に健診参加動機、健診で疾病が指摘された場合の治療の継続、食生活などの生活上の変化を中心に調査用紙をもちいて聞き取り調査を実施した。保健補導員の指導で健診に参加し、あるいは無料(50ペソの登録料のみ)で健診してもらえるからなどの理由が参加動機の大半をしめた。 保健補導員には、保健補導員としての日常的な活動、健診を開始してからの人々の生活の変化などを中心に聞き取り調査を実施し、母親学級や妊婦健診、健診時の参加者への参加呼びかけ、情報の伝達などを行い、また、変化としては、健康活動全体への参加度が向上していると認識していた。 医療関係者には、健診が始まって以来の受診行動の変化を中心調査したが、やはり、一昨年の予備調査からも予測はされていたが経済的な理由で、治療が中断され、あるいは放置されていることが裏付けられた。 健診それ自体に関しては、長野モデルでは、医師の診察後、保健師等看護職による生活・保健指導が実施されているがここでは行われていない。このプロジェクトそのものが、医師主導で行われているため、受診できなくても生活・保健指導で改善できることもある、たとえば高血圧の人に食事指導など看護職者の力をこの健診活動に生かせる方向で、簡単にお金がないからという理由でかたづけるのではなくお金がなくてもできることを検討をしたい。 次年度では、長野モデルへの理解をまず看護職者に深められるような活動を準備し意識改革をはかりたい。歯科検診は相変わらず抜歯中心なので、調査協力者へ歯ブラシを謝礼として渡したが、口腔ケアの指導としては不十分であった。これらの反省を次年度に生かしつつ、研究主旨に従って国際協力への視点からまとめ、このような活動のあり方に関しての提言としたい。
|