研究課題/領域番号 |
16659627
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
松波 美紀 岐阜大学, 医学部, 助教授 (40252150)
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研究分担者 |
松本 亥智江 岐阜大学, 医学部, 助手 (70262780)
武藤 吉徳 岐阜大学, 医学部, 助教授 (80190859)
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キーワード | 高齢者 / 持てる力 / キネステティク / 体位変換 |
研究概要 |
平成16年度は、人がもっている健康な力を活用した介助法の概念であるキネステティクとその発展に大きな影響を与えた行動サイバネティクス、Basale Stimulationに関する文献検討を行った。その結果、人は視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚、そしてキネステティク感覚(前庭覚、固有覚)等が受ける刺激を元に動き方を計画し動いている。また、動いたときの感覚を次の動きに生かしているという「感覚と動き」の関係およびその学習プロセスが明らかになった。 現在、さまざまな人の活動のうち「臥位、座位、立位、歩行」を取り上げ、そこに含まれる「自然な動き」について身体、心理面から分析している。研究者および研究協力者は仰臥位から側臥位、仰臥位から端座位、端座位から立位、そして歩行と「自然な動き」を繰り返し体験している。その中で、それぞれの体位とそこにかかる重さの関係、その重さが体位を変化することによりどう動き、伝わっていくのか、体験者はそれをどう感じるのか、感覚的に得られた意見を集積している。「自然な動き」における体位変換や歩行などの移動には「重さを体の一側から反対側に移すこと」が基本となって行われていることなどが再認識できている。 仰臥位から側臥位への動きについては、左、右、そして足部の3方向よりVTR撮影し、一部画像解析を行っている。従来行われていた体位変換の介助ではあまり注目されていない「下肢の動き」が体位を変えるのに重要な役割を果たしていること、動く速さは、人それぞれであるが、弧を描くような連続的な動きの間の速さは、ほぼ一定であり、個人差もあまり見られないことなどが明らかになってきている。援助方法を考えていく際、介助者の動きと被介助者の動きは異なること、そのため動きの速さも異なることになる。その差をどう補っていくかが、「気持ちのよい援助」に大きく関わってくることが示唆されている。
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