研究課題
今年度の研究においては、昨年度に提案した輻輳制御手法の性能評価を詳細にわたって行った。評価においては、新たに開発した高速ネットワークにおける計測手法を用いて、利用可能帯域および物理帯域を取得する方式と、提案手法を組み合わせ、提案手法が1Gbpsを超えるネットワークにおいて性能を発揮するかどうかについての検証を行った。その結果、提案しているTCPの輻輳制御手法が、高速ネットワークにおいても問題なく性能を発揮することを明らかにした。さらに本研究では、そのような高速TCPプロトコルではなく、GridFTPなどにおいて用いられている、通常のTCPコネクションを複数本並列的に用いることでデータ転送性能を向上させる並列TCP手法に着目し、その性能を数学的解析により明らかにした。解析においては、並列に設定されるTCPコネクションが同期的に動作する場合、および非同期的に動作する場合の両方を考慮し、並列TCP手法によるデータ転送スループットの上限と下限を明らかにした。その結果、理想的なTCPコネクション数はネットワークパラメータなどによって大きく変化し、その設定が困難であることが明らかとなった。また、高速TCPプロトコルと比較すると、ネットワーク環境の変動に対する性質などの点で、並列TCP方式が劣っていることを明らかにした。
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IEICE Transactions on Communications (掲載予定)
電子情報通信学会技術研究報告
ページ: 7-11
IEICE Transactions on Communications vol.E88-B, no.6
ページ: 2495-2507
Proceedings 6th Asia-Pacific Symposium on Information and Telecommunication Technologies
ページ: 47-52
ページ: 17-22