研究課題
平成16年度は、映像センサアレイと音像センサアレイの構築を行い、基礎的なデータ収集を行った。ここで集められたデータの解析から、自動協調に必要なセンサーデータ処理と不要な処理との判別について、現在研究を進めている段階である。研究設備としての映像センサや音像センサ、PSDセンサの大量配置についてほぼ目処がついた。1.映像センサとして、超小型カメラユニットを独自製作する予定であったが、情報機器環境の進歩に伴い、Axis205を中心とするWebカメラの大量配置に方針変更した。その選定に時間を費やしたため計画が多少遅れ、現在、映像評価、特に日照変化や照明変化に対する感度特性について評価を行っている。2.映像センサアレイを構築するための様々な試験配置を試し、本年度中に総勢60台以上のカメラについてほぼ実験環境での配置を終えた。多数のカメラを同時に長期間駆動できるようにするため、特にデータサイズを意識した実装方法を試験した。また、実際に映像センサ群が用いられる様々なアプリケーションのための画像処理研究に積極的に関与し、研究上のフィードバックを得た。3.マイクロフォンアレイによる音源位置推定の研究については、実験環境の入手に時間がかかったため、本年度はマイクロフォンアレイ設置にとどまった。ただし、複数マイクによる音源定位については予備調査の結果、人の軌跡を求めるために使う程度の精度を現時点で得ている。4.センサステーション間のマルチメディアデータ交換方式についてはプロトタイプ作成を終了した。5.データの共起度に従ってデータ交換を活性・抑制する方式の開発については、現在取得データの情報量を測定する方法を開発中であり、次年度以降引き続き研究を進めていく。6.データの共起度の定義と計算方法については、全てのセンサステーションからの情報において情報量がどれだけあるのかを算定するための手法を現在開発中である。
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