前年度に引き続き2005年7月から10月にわたって、滋賀県にある余呉湖最深部に照度・温度センサーロガー、超音波流行流速プロファイラーおよびデータロガー式クロロフィル計を設置し、連続自動観測を行った。この期間中、1週間に1回程度の頻度で琵琶湖揚水の流入部と最深部の2地点において、鉛直方向2m毎に採水を行い、植物プランクトン各種の現存量ならびに栄養塩濃度を測定した。また採水試料の一部を用いてアルカリフォスファターゼ活性の測定を実施した。これら2調査地点において鉛直方向1m毎の一次生産量を明暗瓶法により測定した。さらに余呉湖全域の植物プランクトンの3次元分布を把握するため、採水2地点を含む15地点において多成分水質計によるクロロフィル、濁度、溶存酸素量、電気伝導度の鉛直測定を行った。 上述の週1回程度の観測に加えて、8-9月の3回にわたり余呉湖沿岸部で5日間の詳細な連続観測を行った。光量子と水温を10分に1回の間隔でデータを採取するとともに水中栄養塩、アルカリフォスファターゼ活性およびクロロフィル測定用の試料を1日1回採取し、明暗瓶法による一次生産量の測定を行った。また、自動採水器を用いてアオコ形成ラン藻類Microcystis細胞周期解析用の試水を2時間毎に採取した。 現在、水質分析・計数結果が出そろった状態であり、前年度に行った調査結果と合わせて、植物プランクトンの種遷移が、物理・化学環境の細やかな変動にどのような影響を受けて進行していくかについて詳細に検討していく予定である。
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