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2006 年度 実績報告書

植物プランクトンの種遷移と異常増殖現象の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16681003
研究機関滋賀県琵琶湖・環境科学研究センター

研究代表者

辻村 茂男  滋賀県琵琶湖, 環境科学研究センター・琵琶湖研究部門, 主任研究員 (60300969)

キーワード植物プランクトン / 個体群動態 / アオコ / 湖沼
研究概要

滋賀県北部に位置する余呉湖を調査対象湖として、植物プランクトンの動態に関する調査を行い、植物プランクトンの種構成、現存量変化に及ぼす影響を、様々な物理的・化学的環境の変化から解析した。特に、余呉湖では琵琶湖からの揚水と潅漑のための放水、富栄養化対策として導入されたばっ気装置の運用が行われており、これらの運用パターンが年により大きく変化することから、これらの違いに着目して、年毎の植物プランクトン種遷移や現存量変化を考察した。湖内の植物プランクトン現存量は、琵琶湖からの揚水時期に影響を受け、揚水の停止した時期にアオコ形成ラン藻類の現存量が大きくなる傾向が見られた。ミクロキスティスの細胞内炭素・窒素・リン含量を直接測定することにより、間欠式ばっ気装置が運用されていた夏季に窒素制限であったが、それ以外の時期はリン・窒素ともに制限栄養塩でないことが示唆された。2003年以降、間欠式ばっ気装置の運用を止めたことにより、夏季成層が強まり深層水中の栄養塩濃度は高くなったが、成層期間中の表層水ではリン制限が強まることが、アルカリフォスファターゼ活性測定により明らかとなった。
深層水からの内部負荷が植物プランクトン種遷移に与える影響について検討するため、秋の全循環期前後の集中観測ならびに表層水への深層水添加培養実験を行い、深層水中の大部分のリンが鉄の酸化に伴い化学的吸着沈降するものの一部は成層期に生息する植物プランクトンに取り込まれ利用されること、しかしその後の植物プランクトンの種遷移には循環期の物理的要因と水温低下が大きく影響し、全循環に伴う一時的な栄養塩供給を受けた植物プランクトンが必ずしも優占しないことなどが明らかとなった。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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