H16年度では、低温プラズマと触媒を一段式に複合したプラズマ駆動触媒反応器(以下PDC反応器)において担持金属触媒の種類及び担持量、反応温度、空間速度、揮発性有機化合物(VOC)の種類別の分解挙動などについて検討を行った。室温でPDC反応器によるベンゼンの分解を行った場合、副生成物として蟻酸の生成量が高くなるとともにベンゼンの分解率も低下した。一方、100℃ではベンゼンの分解率が向上するとともに蟻酸の生成量は少ないことがわかった。温度をさらに150℃に上げるとベンゼンの分解率が減少した。COの収率は温度による影響が少ないが、CO_2は温度が高いほど収率が向上する傾向を示した。これらの結果よりPDC反応器の最適運転温度は100℃であることが明らかになった。酸化チタン触媒に担持する金属触媒としては銀(Ag)の方が白金(Pt)、ニッケル(Ni)より優れた性能を示した。銀触媒はベンゼン分解率に対する影響は少ないが、銀の担持量が多いほど炭素収支とCO_2の収率が顕著に改善される効果が現れた。これにより、銀触媒は酸化チタン表面における中間性生物を効率よくCO_2まで酸化するのに重要役割をしていることが推察された。PDC反応器における空間速度(ガス滞留時間)の影響調べるため11000〜55000h^<-1>の範囲でテストした結果、比投入エネルギーが一定であれば空間速度の影響はなく同様の分解率が得られることが明らかになった。従来の触媒プロセスとは異なって、PDC反応器では処理対象となるガス風量が変化しても比投入エネルギーを調節することにより、流量の変化に柔軟に対処でき安定した動作が可能であることが明らかになった。VOCの種類については芳香族6種類と蟻酸を用い分解挙動を調べた結果、オゾンとの反応性が高いスチレンを除いてすべて0時反応が支配的であることがわかった。蟻酸は芳香族VOCの共通中間性生物であり、PDC反応器により主にCO_2に分解されることからCO_2生成の重要な中間体であるととがわかった。
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