本年度は1)分子・超微粒子複合体を被覆するナノ電極作製条件と微粒子被覆条件の探索とその光電流測定;2)分子・超微粒子複合体の光照射時の導電性測定を行うためのアクションスペクトル測定装置の作製、を行った。 1)分子・超微粒子複合体を被覆するナノ電極作製条件と微粒子被覆条件の探索とその光電流測定 トップコンタクト法と呼ばれる手法で100ナノメートル間隔のナノ電極やフォトリソグラフィーで2ミクロン間隔の金電極を作製し、その上にキャスト法で感光性有機分子・金微粒子複合体または同じ分子のみを堆積した。まず分子付き微粒子で光でなく電界効果による電流変化を観察したが、ゲート電圧10Vでも1.2倍程度の電流変化しか見られなかった。しかし365nmの光(1200マイクロワット)照射下では電流が約50倍に増加した。分子のみやあるいは非感光性有機分子端時微粒子ではほとんど電流変化は見られなかった。次に感光性有機分子・金微粒子で電極間距離依存性をみたところ2ミクロン間隔の電極でも同様の光電流が観察されたため、キャスト法では非常に広い範囲に微粒子が広がるため、ギャップ以外のところの微粒子・分子複合体からの励起されたキャリアの生成が大きく関与していることを示唆している。 2)分子・超微粒子複合体の光照射時の導電性測定を行うためのアクションスペクトル測定装置の作製 まずアクションスペクトル測定装置を光源・プローバーなどを購入・作製しその組み合わせにより自作した。また一部のソフトウエアを作成依頼した。現在それらを組み合わせることを試みており、来年度半ばまでにアクションスペクトル測定が可能になる装置の立ち上げを目指す。
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