平成17年度は、昨年度開発を実施した地震動予測システム、すなわち、2観測点の加速度データから、面的かつ詳細(100メートル間隔程度)な地震動分布を予測するシステムの改良、そして、速報システムのプロトタイプの開発を行った。 予測システムの改良においては、ニューラルネットワークの構造を見直し、予測精度の向上が得られた。 今年度開発した速報システムは、データ取得部、地震検知部、通信部、地震動予測部から構成されている。データ取得部は地震(加速度)データを常時モニタリングし、地震検知部によって地震を検知すると、最大加速度値のみを遠隔地に設置された地震動予測部へ伝達する(通信部)。地震動予測部では昨年度開発したニューラルネットワークを用いた予測システムにより瞬時に面的な加速度分布の予測・表示を行う。観測地点への設置はまだ行われていないが、実験室におけるテスト(通信部はシリアル通信)では、地震検知後約10秒で面的地震動予測図を表示することに成功した。 次年度は最終年度となるが、実観測を行い、予測・速報システムの高度化を行うとともに、その有効性を検討したい。また、本来の目的、すなわち、自助・共助に予測結果を役立てるために、予測情報の活用方法についても可能な限り検討を行いたい。
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