平成18年度は、昨年度までに開発を実施した地震動予測システム、すなわち、2観測点の加速度データから、面的かつ詳細な地震動分布を予測するシステムにおいて、予測アルゴリズムの見直しを行った。具体的には、ニューラルネットワークの教師信号を0または1とすることで精度の向上を試みた。また、研究期間中にアルゴリズムの検証に十分な観測データが得られなかったため、既存のデータとして横浜市の強震データを利用させて頂いた。 速報システムは、データ取得部、地震検知部、通信部、地震動予測部から構成されている。データ取得部は地震(加速度)データを常時モニタリングし、地震検知部によって地震を検知すると、最大加速度値のみを遠隔地に設置された地震動予測部へ伝達する(通信部)。地震検知部では、一定の加速度を越えると地震として検知していたため、雑振動による誤動作がみられた。そこでニュートラルネットワークを用いることにより、雑振動と地震動との区別を行うようなシステムを設計した。本システムは実用化に向け実フィールドにおいて今後も観測を継続する予定である。
|