• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

反応性Py-Imポリアミドによる遺伝子機能解析法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 16681019
研究機関京都大学

研究代表者

板東 俊和  京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20345284)

キーワードピロール-イミダゾールポリアミド / 配列特異的DNAアルキル化 / 塩基配列認識 / 特定遺伝子発現制御
研究概要

今年度、反応性Py(N-メチルピロール)-Im(N-メチルイミダゾール)ポリアミドを特定遺伝子発現制御ツールとして実用化するために、反応性と配列認識能が高いレベルで両立した分子設計の改良と遺伝子機能制御に関する機能評価を進めた。また、Fmoc固相合成より合成供給された反応性Py-Imポリアミドのラットやマウスへの生物学的応用研究も進んでいる。
実際に、反応性Py-Imポリアミドを用いて、塩基配列特異的アルキル化が遺伝子機能(mRNAへの転写、蛋白質への翻訳)に与える影響をヒト細胞系にて評価・検討した。その結果、標的とする塩基配列を、遺伝子のmRNA発現に共有されているプロモーター領域のみに限らず、タンパク質の遺伝情報が集約されているコーディング領域へ拡張することに成功した。重要なことは、配列特異的アルキル化によって、遺伝子の蛋白コード領域中に存在する特定塩基配列を標的とすることが可能であることを示したことである。さらに、2種類の異なる配列認識能をもつ反応性Py-Imポリアミドに対して、DNAチップを用いて遺伝子発現に与える影響を詳細に解析した結果、いくつかの遺伝子に関して、配列特異性の差異に由来する興味深い遺伝子の抑制と活性化が観察された。また、分子動力学計算とこれまでの合成研究成果に基盤として、まだ生物活性評価の段階には進んでいないものの、10塩基対を超える配列認識能をもつ反応性Py-Imポリアミドの合成にも成功した。
現在、生体内の特定塩基配列を精密に標的化することにより特定遺伝子を制御することを可能にする技術への応用を目指し、特定塩基配列認識能をもつ反応性Py-Imポリアミドの合成供給を進めている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] C-H to N Substitution Dramatically Alters the Sequence-Specific DNA Alkylation, Cytotoxicity, and Expression of Human Cancer Cell Lines2004

    • 著者名/発表者名
      Bando, T., Sugiyama H.
    • 雑誌名

      J.Am.Chem.Soc. 126・11

      ページ: 3406-3407

  • [雑誌論文] Sequence-Specific Gene Silencing in Mammalian Cells by Alkylating Pyrrole-imidazole Polyamides2004

    • 著者名/発表者名
      Bando, T., Sugiyama H.
    • 雑誌名

      J.Am.Chem.Soc. 126・16

      ページ: 5113-5118

  • [雑誌論文] Enantioselective DNA Alkylation by a Pyrrole-Imidazole S-CBI Conjugate2004

    • 著者名/発表者名
      Bando, T., Sugiyama H.
    • 雑誌名

      J.Am.Chem.Soc. 126・29

      ページ: 8948-8955

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi