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2005 年度 実績報告書

科学分野への女子のアクセス拡大に関する研究-高校における文理選択に注目して-

研究課題

研究課題/領域番号 16681021
研究機関山形大学

研究代表者

河野 銀子  山形大学, 地域教育文化学部, 助教授 (10282196)

キーワード科学教育 / ジェンダー / 進路選択 / 進路指導 / 文理選択
研究概要

科学分野、とりわけ理工系の職業に女性が少ない一要因として、大学の理系学部に女子が少ないことがあげられることを踏まえ、今年度は、(1)女子の大学・大学院在学状況の専攻別トレンド分析と、(2)高校での<文系/理系>の選択に関する質問紙調査の再分析、(3)進路に関する保護者インタビューを行った。
(1)については、文部科学省の学校基本調査をもとに、女子の4年制大学進学率が15%を超えた1990年以降15年間の変化を分析した。この間、女子学生数の増加率が顕著に高かったのは、工学部(3.08倍)、医学・歯学以外の保健(2.71倍)、社会科学(2.60倍)などであった。女子の学部選択は若干拡大したようにみえるが、各専攻の対男子学生比をみると依然として不均衡であることが明確になった。修士課程では、人文科学や教育学を専攻する女子比率が低下し、専攻の選択に若干の多様性が見られるようになった。
(2)については、前年度に実施した質問紙調査を、<文系理系><男女>にわけて分析した。その結果、文系女子は高校での文理選択においてもっとも問題を抱えていることが浮き彫りになった。その背景として、将来の進路展望が弱いことや、文系/理系に分けられない進路希望をもっていることなどが挙げられた。それだけではなく、<文系理系><男女>によって、高校で学習する教科に対する認識構造が異なることがわかった。もっとも、学校的認識をしていたのは、理系男子であった。なお、これらは、国際ジェンダー学会2005年大会において口頭発表した。
(3)については、おもに高校生をもつ保護者に対してインタビューを実施し、学校における進路指導の実態や子どもの進路に対する保護者の意識などを探った。文系理系に分ける時期や分け方などについて、保護者は不安や不満をもっているようであった。また、文理のどちらかを選ぶと事実上履修できない科目があり、そのために悩んだ様子や学校が子どもの能力を伸ばしてくれなかったというコメントもあった。詳細な分析は次年度にも行う予定である。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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