今年度は、昨年度の個別事例や団体の活動分析から、系統性を持たせたメタ研究に重点をおいて進めた。1980年代半ば以降のアメリカのカリキュラム及び実践に関する論文を、分析視点の枠組みに添った形で選択的に収集するとともに、州レベルの実践校や報告書の収集に力点を置いた。ASCD(全米指導主事およびカリキュラム開発者連名)が各州と連携したプロジェクトや、スタンフォード大学のSPICE(スタンフォード国際文化間教育プロジェクト)がカリフォルニア州で進めているグローバル教育プロジェクトに注目し、アメリカという「公」とグローバル社会という「公」の関連についての調査を行った。また、西欧の公民教育に関しては、昨年度から研究連携をすすめているヨーク大学のデービス氏との協力のもとで、イギリスのシティズンシップの比較、日本とヨーロッパの学校文化の違いから来る公民科教育のカリキュラム構成の差異について調査を行った。
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