カムランド実験装置において^7Be太陽ニュートリノの検出とそのスペクトル測定を実現するためには、電子ニュートリノの検出が単一信号の観測となるため、液体シンチレーター中に含まれる極微量の放射性物質(^<210>Pb、^<40>K、^<85>Kr、^<35>Ar、^<222>Rn)を除去しノイズ信号を低減させる必要がある。本研究の目的は、現在の閾値よりも低いエネルギーを持つ^7Be太陽ニュートリノの検出とそのスペクトル測定を実現するために、極低濃度の放射性不純物を更に一万分の一以下まで除去可能な、液体シンチレーター中に含まれる放射性金属(^<210>Pb)の除去装置と放射性気体(^<85>K、^<35>Ar、^<222>Rn)の除去装置の開発である。 昨年度に続き放射性気体(^<85>Kr、^<35>Ar、^<222>Rn)の除去に関して、実機の1/3サイズ相当の試作機を用いて測定を行った。既に^<85>Kr、^<35>Arに関してはミューリアクターと高純度窒素を用いたパージ法により実機に必要とされる性能は保証できていたが、^<222>Rnに関しては液体シンチレーターへの溶解度が高いため100分の1までしか達成できなかった。このため^<222>Rnの除去に関しては放射性金属を除去することを目的とした蒸留装置の改良と組み合わせて要求を満たすことを目指した。 蒸留法については昨年度までに小型の実験装置で3.0×0×10^<-5>の効率で^<210>Pbを除去することに成功していたので、本年度は3塔で構成される1/10スケールの試作機を製作して、温度や圧力等の最適化を研究した。その結果、各成分毎に100hPaの減圧下で蒸留を行うことにより、^<210>Pbにおいて7.6×10^<-5>の除去効率を達成した。更には減圧の効果により^<222>Rnを1/1000、^<85>Krを1.3×10^<-5>まで除去することに成功した。この結果によりカムランドにおいて^7Be太陽ニュートリノの観測が可能であることが示せた。
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