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2004 年度 実績報告書

ケイ素系らせん超分子システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 16685004
研究機関東京工業大学

研究代表者

三治 敬信  東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (00287484)

キーワードポリシラン / らせん / 超分子 / 包接錯体 / シクロデキストリン / パイスタッキング / アミロース / 二重らせん
研究概要

シクロデキストリンとの包接錯体化によってオリゴシランの主鎖構造にらせん構造が誘起される現象をこれまでに見出した。この研究を発展させ、末端にπ電子系の置換基を有するオリゴシランと・-シクロデキストリンとの包接錯体がシクロデキストリン空孔内でパイ電子系同士の相互作用により一次元状に自己組織化したキラルな超分子ポリマーとなっていることを見出した。すなわち、末端に2-ナフチル基を導入したオリゴシランと・-シクロデキストリンを水中・室温で数日間撹拌することにより包接化合物を調製し、単離した。構造は各種NMR及び粉末X線回折により同定した。なおオリゴシランとγ-シクロデキストリンとの包接比は2:9であった。この錯体は吸収スペクトルにおいて297nmに吸収極大を示し、また円二色性スペクトルでは300nm付近に分裂型コットン効果が観測された。従ってオリゴシラン鎖はシクロデキストリン空孔内でらせんを誘起していると考えられる。また蛍光スペクトルの測定では、ナフタレン環の局在発光ピークが335nmに、ナフタレシ環のエキシマー発光ピークが400nm付近にそれぞれ観測された。このことから二つのナフタレン環がシクロデキストリン空孔内でスタッキングしていると考えられ、一次元状の超分子ポリマーを形成していることが確認できた。また新たにキラルならせんホストポリマーとしてアミロースを選択し、オリゴシランとの包接錯体形成を行った。先に用いたシクロデキストリンは1,4-グルコースの環状化合物であるが、アミロースは非環状の一次元状高分子であり、左巻きのらせんコンホメーションをとることが知られている。実際にアミロースがオリゴシランと包接錯体を形成すること、また吸収および円二色性(CD)スペクトルによる解析から、アミロースのらせん空孔内でオリゴシラン鎖が一方向のらせん構造を誘起することを見出した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Polysilane-Silica Hybrid Nanoparticles2005

    • 著者名/発表者名
      T.Sanji, Y.Nakatsuka, H.Sakurai
    • 雑誌名

      Polym.J. 37

      ページ: 1-6

  • [雑誌論文] Self-Assembly of Oligosilane-Cyclodextrin Complexes Using Host-Stabilized π Interactions2005

    • 著者名/発表者名
      T.Sanji, M.Kato, M.Tanaka
    • 雑誌名

      Macromolecules 38(in press)

  • [雑誌論文] An Alternative Convergent Synthesis of Silole-Core Dendrimers2005

    • 著者名/発表者名
      T.Sanji, H.Ishiwata, T.Kaizuka, M.Tanaka, H.Sakurai, R.Nagahata, K.Takeuchi
    • 雑誌名

      Can.J.Chem. (in press)

  • [雑誌論文] The Induction of a Helical Conformation in Polysilanes with an Optically Active Terminal Group2004

    • 著者名/発表者名
      T.Sanji, K.Takase, H.Sakurai
    • 雑誌名

      Bull.Chem.Soc.Jpn. 77

      ページ: 1607-1611

  • [図書] 21世紀の有機ケイ素化学 ポリシラン・有機ハイブリット(玉尾皓平監修)2004

    • 著者名/発表者名
      三治敬信
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      シーエムシー出版

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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