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2005 年度 実績報告書

ケイ素系らせん超分子システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 16685004
研究機関東京工業大学

研究代表者

三治 敬信  東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (00287484)

キーワードポリシラン / オリゴシラン / アミロース / シゾフィラン / らせん構造 / 包接化 / 多糖類 / オリゴチオフェン
研究概要

新たにキラルならせんホストポリマーとしてアミロースを選択し、オリゴシランとの包接錯体形成を行った。アミロースは非環状の一次状高分子であり、左巻きのらせんコンポメーションをとることが知られている。実際にナミロースがオリゴシランと包接錯体は水中で超音波照射後、撹拌することによって形成すること、またその構造は各種NMRによって確認した。得られた超分子錯体の吸収および円二色性(CD)スペクトルによる解析から、アミロースのらせん空孔内でオリゴシラン鎖が一方向のらせん構造を誘起することを見出した。
アミロースが左巻きのらせん構造をとるのに対し、シズフィランは右巻きらせん構造をとる。このようなシゾフィランをキラルならせんホストポリマーとしてオリゴシランとの錯体化を行った。この場合も水中でオリゴシランとシゾフィランとの撹拌することで錯体形成が確認された。吸収およびCDスペクトルによる解析を行ったところ、誘起コットン効果が観測されオリゴシランのらせん構造誘起が確認された。また観測された誘起コットン効果は先のアミロース錯体の場合とその符号が逆転し、オリゴシランは逆向きのらせん構造が誘起されていることが分かった。すなわち、キラルならせんホストポリマーのらせん方向によって誘起されるオリゴシランのらせん方向が制御されていることが明らかとなった。
今回明らかとなった現象の一般性について、ゲスト分子としてパイ共役系分子のオリゴチオフェンを用いて、アミロースあるいはシゾフィランとの超分子錯体形成について検討を行った。この場合も、錯体が形成しうること、また吸収および円二色性(CD)スペクトルによる解析から、アミロースあるいはシゾフィランとのらせん空孔内でオリゴチオフェン鎖が一方向のねじれ構造を誘起すること、さらにその誘起されるねじれ構造の向きはアミロースおよびシゾフィランで全く逆であることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Chirality Control in Oligothiophene through Chiral Wrapping2006

    • 著者名/発表者名
      T.Sanji, N.Kato, M.Tanaka
    • 雑誌名

      Qrg.Lett. 8

      ページ: 235-238

  • [雑誌論文] Self Assembly of Oligosilane-Cyclodextrin Complexes Using Host-Stabilized π Interactions2005

    • 著者名/発表者名
      T.Sanji, M.Kato, M.Tanaka
    • 雑誌名

      Macromolecules 38

      ページ: 4034-4037

  • [雑誌論文] An Alternative Convergent Synthesis of Silole-Core Dendrimers2005

    • 著者名/発表者名
      T.Sanji, H.Ishiwata, T.Kaizuka, M.Tanaka, H.Sakurai, R.Nagahata, K.Takeuchi
    • 雑誌名

      Can.J.Chem. 83

      ページ: 646-651

  • [雑誌論文] Silole-Core Dendrimers : A Facile Synthesis and Photophysical Properties2005

    • 著者名/発表者名
      T.Sanji, H.Ishiwata, T.Kaizuka, M.Tanaka, H.Sakurai, R.Nagahata, K.Takeuchi
    • 雑誌名

      Chem.Lett. 34

      ページ: 1130-1131

  • [雑誌論文] Induction of Optical Activity in Oligosilanes by Chiral Wrapping with β-1,3-Glucan(Schizophyllan)2005

    • 著者名/発表者名
      T.Sanji, N.Kato, M.Tanaka
    • 雑誌名

      Chem.Lett. 34

      ページ: 1144-1145

  • [雑誌論文] Helical Folding in a Helical Channel : Chiroptical Transcription of Helical Information through Chiral Wrapping2005

    • 著者名/発表者名
      T.Sanji, N.Kato, M.Kato, M.Tanaka
    • 雑誌名

      Angew.Chem.Int.Ed. 44

      ページ: 7301-7304

  • [図書] 有機ケイ素系材料(ポリシラン),(特集 21世紀の技術を先導するのはこれだ!工業材料 キーワード40),工業材料2006

    • 著者名/発表者名
      櫻井英樹, 三治敬信
    • 総ページ数
      2
    • 出版者
      日刊工業新聞社

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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