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2006 年度 実績報告書

ケイ素系らせん超分子システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 16685004
研究機関東京工業大学

研究代表者

三治 敬信  東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (00287484)

キーワードポリシラン / オリゴシラン / アミロース / らせん構造 / 包接化 / 構造制御 / シグマ共役 / パイ共役
研究概要

これまでに多糖類の左巻きらせんアミロースあるいは右巻きらせんシゾフィランをキラルならせんホスト分子として、オリゴシランあるいはオリゴチオフェンとの超分子包接錯体において、取り込まれたゲスト分子が一方向のらせん構造を誘起すること、またキラルならせんホストポリマーのらせん方向によって誘起されるオリゴシランあるいはオリゴチオフェンのらせん方向が制御されることを明らかにした。今回、ホスト分子であるアミロースがpHに依存してコンホメーションが変化することに注目し、アミロースとオリゴシランの錯形成がpH依存性を示すこと、またオリゴシラン鎖に誘起されるらせん構造もpH応答性を示すことを見出した。
部分的にカルボキシメチル基を導入したアミロースとオリゴシランをpHを調整した水溶液中、室温で2時間撹搾し、吸収及び円二色性(CD)スペクトルを測定した。酸性条件では、吸収およびCDスペクトルは弱くしか観測されない。一方、中性および塩基性条件では、吸収スペクトルにおいて265nmにオリゴシランの吸収が観測され、またCDスペクトルではオリゴシランの吸収波長領域で正のコットン効果が観測された。これらのことは、中性および塩基性条件でオリゴシランがアミロースと錯形成し、一方向のらせん構造が誘起されることを示している。また、錯形成およびオリゴシランへの光学活性誘起は、pHに対して可逆的に変化することもわかった。
またゲスト分子として、パイ共役系であるオリゴ(p-フェニレンエチニレン)と多糖類との超分子錯体形成を行い、この場合もらせん空孔内でゲスト分子が一方向のねじれ構造を誘起すること、さらにその誘起されるねじれ構造の向きはアミロースおよびシゾフィランで全く逆であることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Effect of the Chiral Center Position of an Optically Active Terminal Group on the Induction of Optical Activity in Polysilanes2007

    • 著者名/発表者名
      T.Sanji, K.Takase, H.Sakurai
    • 雑誌名

      Polymer Bulletin 59(in press)

  • [雑誌論文] Switching of Optical Activity in Oligosilane through pH-Responsive Chiral Wrapping with Amylose2006

    • 著者名/発表者名
      T.Sanji, N.Kato, M.Tanaka
    • 雑誌名

      Macromolecules 39

      ページ: 7508-7512

  • [雑誌論文] Lewis Base-Induced Reversal of Diastereoselectivity in the Addition of Alcohols to Chiral Silylenes2006

    • 著者名/発表者名
      T.Sanji, H.Mitsugi, M.Tanaka, H.Fujiyama, H.Sakurai
    • 雑誌名

      Organometallics 25

      ページ: 6159-6161

  • [雑誌論文] 高分子のらせん構造制御の新展開 : 一次元らせん分子のホスト-ゲスト化学2006

    • 著者名/発表者名
      三治敬信, 田中正人
    • 雑誌名

      有機合成化学協会誌 64

      ページ: 947-957

  • [図書] ポリシラン-有機ハイブリッドの作成と応用(ケイ素化合物の選定と最適利用技術応用事例集)2006

    • 著者名/発表者名
      三治敬信, 田中正人
    • 総ページ数
      7
    • 出版者
      技術情報協会

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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