研究概要 |
本研究は,次世代半導体デバイス用Si機能薄膜層の表面および内部に存在する微小欠陥の計測技術の開発を行うものである.具体的には,Low-k材等のSi機能薄膜層表面に生成させたエバネッセント光分布(エバネッセント場)を,数10nm程度の微小開口を有するファイバプローブ探針を用いて計測しエバネッセント場を乱す元となった薄膜層表面および内部に存在する微小欠陥を同定する,という今までにない全く新しい欠陥計測技術の開発をめざすものである.具体的な研究目標として,以下の研究課題の達成を考えている. (1)シリコン機能薄膜表面および内部の微小欠陥がエバネッセント場形成に与える影響の理論的解明 (2)シリコン機能薄膜表面へのエバネッセント場生成技術の確立 (3)シリコン機能薄膜表面上に局在するエバネッセント場の計測技術の確立 (4)エバネッセント場に基づく微小欠陥同定法の確立 平成16年度は以下の研究課題の達成を行った. (16-1)ウエハ機能薄膜の計算機モデルの構築とFDTD法に基づくエバネッセント場生成シミュレータの構築:偏光特性の影響を考慮可能な三次元での電磁場解析が可能なシミュレータを構築した. (16-2)ウエハ機能薄膜上エバネッセント場の計算機シミュレーション:三次元空間詳細電磁場解析が可能な大規模メモリ(2GByte)搭載PCを用い,エバネッセント場と光学パラメータの関係を調査し,50nm程度の深さに存在する数10nmスケールのボイド欠陥の光学情報がプローブにより取得可能であることを確認した. (16-3)ウエハ機能薄膜表面エバネッセント場生成光学系の設計・構築:(16-2)の電磁場解析結果に基づき,エバネッセント場生成基礎光学系の設計・構築を行った.
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