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2005 年度 実績報告書

超極細探針による低侵襲細胞免疫技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16686047
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

中村 史  独立行政法人産業技術総合研究所, セルエンジニアリング研究部門, 主任研究員 (40357661)

キーワードAFM / 細胞操作 / 抗体 / 力学測定 / 挿入 / 相互作用 / 細胞骨格蛋白質 / ナノニードル
研究概要

平成17年度の研究により、生細胞内の骨格蛋白質であるアクチンフィラメント、ネスチン、βIIIチューブリンを力学的に検出することが可能であることが明らかとなった。
アクチンフィラメントでは、細胞として新生児正常ヒトメラノサイトNHEM-Neoを用い、細胞内アクチンフィラメントを200nMの脱重合剤cytochalasin Dにより脱重合させ、ファロイジン染色と抗体固定化ナノニードルによる力学測定により脱重合過程の観察を行った。力学測定では、37℃、5%CO2に保たれた恒温ボックス内において脱重合条件下の細胞に対し、抗アクチン抗体固定化ナノニードルを挿入・抜去し、その力学応答を観察した。二つの結果を比較すると、ファロイジン染色の蛍光強度の減衰と検出されるunbinding forceの減少速度に相関があり、単一細胞内のアクチンフィラメントの繊維状構造を力学的に検出することが可能であることが示された。
また、ネスチン、βIIIチューブリンを標的骨格蛋白質として、神経細胞の分化状態の評価を試みた。分化誘導前のマウスP19胚性癌腫瘍細胞に対して抗ネスチン抗体固定化ナノニードルを挿入・抜去したところ、平均0.8nNのunbinding forceが観察された。また、1μMレチノイン酸を用いて分化誘導を行ったP19に対して抗βIIIチューブリン抗体固定化ナノニードルを挿入・抜去したところ、平均1.2nNのunbinding forceが検出された。対照として用いたマウス3T3繊維芽細胞あるいは未分化P19に対して同様の操作をした場合にはunbinding forceは検出されなかったことから、抗体固定化ナノニードルにより神経細胞分化マーカー蛋白質を生きた単一細胞から検出し、神経細胞の分化状態を識別できることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 細胞への針挿入の力学挙動2006

    • 著者名/発表者名
      中村 史 他
    • 雑誌名

      物理学会誌 (5月号掲載予定)

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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