• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

植物ベイティングを応用した土壌病害診断法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16688003
研究機関九州大学

研究代表者

松元 賢  九州大学, 熱帯農学研究センター, 助手 (60304771)

キーワードベイティング / 簡易検出 / 耕種的防除
研究概要

本年度では、栽培土壌における植物ベイトトラップからの土壌伝染性病原体の分離・検出の有効性について検証した。土壌は水田、野菜混合栽培畑、ビニール温室(イチゴ、トマト)土壌を用い、ベイト植物は14科20種を供試した。ベイトトラップ試験から、以下の現象が確認された。(1)いずれの土壌においても栽培作物(植物)残渣に高いベイトトラップ効果がみられる。(2)Phytophtthora属、Pythium属、Trichoderma属、Fusarium属,、Phoma属、Rhizoctonia属、SclerotiumやVerticillium属菌の土壌伝染性病原菌を分離。(3)土壌中で菌糸のみの形態をとる病原菌より土壌中で胞子を形成しやすい病原菌のほうが高頻度で分離。特に、Phytophtthora属、Pythium属、Fusarium属、Phoma属菌については、枯死したものより生に近い素材のベイト植物にトラップされやすい。(4)トラップする期間と分離される土壌伝染性病原体との関係は、トラップ3-5日間において一番分離効果が高い。(5)トラップ5日後のベイト供試植物をPDA培地で1ヶ月ほど培養した後、培地上に生育した菌糸や胞子を食べるダニ等の昆虫や線虫が発生した。特に、(5)の現象については、特定の土壌伝染性病原菌の生物的防除への応用につながる発見として、今後注目していく予定である。
以上の現象について組織工学的なアプローチでさらに解析を進めた。Trichoderma属菌およびRhizoctonia属菌の汚染土壌における本属菌のベイトトラップのメカニズムを解明するために、光学顕微鏡によりベイト表面及び内部組織を観察した。その結果、(1)Trichoderma属菌ではベイト表面は分生胞子が多数付着しており、表皮組織に近い内部への菌糸の伸長が観察された。特に表皮細胞への胞子吸着が観察された。(2)Rhizoctonia属菌では、ベイト表面に多数の菌糸がからみついた状態であり、表皮組織に近い内部への菌糸の進入が観察された。また、ベイト植物組織内部には多数の線虫やダニ等の昆虫の進入が観察され、土壌微生物生態学的アプローチと関連して、現在詳細な観察を行っている。また、Fusarium属菌を対象として、土壌中における病原菌のベイト供試植物への移動や吸着様相の観察を蛍光標識識別法により行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Trials of Reexamination of Cellular Fatty Acid Analysis for Plant Pathogenic Fungi2004

    • 著者名/発表者名
      Matsumoto, M
    • 雑誌名

      Jpn.J.Phytopathol. 70

      ページ: 228-229

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi