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2004 年度 実績報告書

加齢に伴うマウス脳構造変化と脳機能の相関

研究課題

研究課題/領域番号 16688009
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

種村 健太郎  独立行政法人理化学研究所, 近藤研究ユニット, 研究員 (20332322)

キーワード脳 / 発達 / 維持 / 老化 / マウス / 行動解析 / 形態解析 / 生化学解析
研究概要

性成熟直後の生後3ヶ月齢から生後18ヶ月齢までのB6雄マウスについて3ヶ月おきに用意し、まず、行動学的解析として、オープンフィールド試験、高架式十字迷路試験、明所忌避試験、新奇物嗜好試験、恐怖条件づけ試験を行った。その結果、生後12ヶ月齢から15ヶ月齢をピークとして、新奇物への対応に慎重性が高まっており、同時に学習記憶能力も亢進していくことが明らかになった。また神経細胞の細胞内骨格系タンパクに焦点をあわせて、生化学的解析を行ったところ、タウタンパクのリン酸化パターンの加齢にともない大きく変動していることが明らかとなり、同時に微小管タンパクの動態についても、その界面活性剤への溶解性に大きな加齢変化が生じていることが示された。すなわち行動解析で得られた伸長性や学習記憶力の亢進にともない、タウタンパクのリン酸化変動をともなった微小管タンパク安定化が生じていることが強く示唆された。またグリア系細胞の発達も性成熟以降に進行していくことが明らかになった。これらのことから、マウスでは性成熟以降も脳機能が大きく発育していくと考えられた。
また脳における神経細胞核内クロマチンの活性度を検討するために、ヒストンの修飾状態を脳スライス切片上で観察する手法を開発した。その結果、生後12ヶ月齢から15ヶ月齢のマウスにおいて、非活性型のクロマチンに比べて活性型のクロマチンの度合いが高い神経細胞は、特に大脳皮質、海馬に多いことが観察できた。このことから、性成熟以降の脳発達は新皮質を中心に進行していると考えられた。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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