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2005 年度 実績報告書

加齢に伴うマウス脳構造変化と脳機能の相関

研究課題

研究課題/領域番号 16688009
研究機関国立医薬品食品衛生研究所

研究代表者

種村 健太郎  国立医薬品食品衛生研究所, 毒性部, 主任研究官 (20332322)

キーワード脳 / 発達 / 維持 / 老化 / マウス / 行動解析 / 形態解析 / 生化学解析
研究概要

性成熟直後の生後3ヶ月齢から生後30ヶ月齢までのB6雄マウスを用いて経時的に、行動学的解析を行った。テストバッテリーとして、オープンフィールド試験、新奇物接近回避試験、明暗往来試験、高架式十字迷路試験、恐怖条件づけ試験を行った。その結果、生後12ヶ月齢から15ヶ月齢をピークとして、新規場面における情動性(我々で言うところの判断力に近いものと推測している)、また学習・認知性が向上していくと考えられ、同時に、生後24ヶ月齢以降に、上述の情動性および学習・認知性が低下していくと判断できた。すなわち、性成熟以降においても、脳機能は成長していくと考えられ、脳機能は発生・発達の後に成熟期・成熟維持期(とも言うべき時期)を経て老化期を迎えると推測している。神経細胞の細胞内骨格系タンパクに焦点をあわせて、生化学的解析を行ったところ、タウタンパクのリン酸化パターンの加齢にともない大きく変動していることが明らかとなり、同時に微小管タンパクの動態についても、その界面活性剤への溶解性に大きな加齢変化が生じていることが示された。すなわちタウタンパクのリン酸化変動をともなった微小管タンパク安定化が生じていることが強く示唆された。またグリア系細胞の発達も性成熟以降に進行していくことが明らかになった。
また脳における神経細胞核内クロマチンの活性度を検討するために、ヒストンの修飾状態を脳スライス切片上で観察する手法を開発した。その結果、生後12ヶ月齢から15ヶ月齢のマウスにおいて、非活性型のクロマチンに比べて活性型のクロマチンの度合いが高い神経細胞は、特に大脳皮質、海馬に多く、そうした活性型クロマチン構造を持った神経細胞は老齢期には現象していることも明らかになった。今後、脳機能としての「興奮・抑制」のバランスに焦点を合わせた解析についても検討を重ねる必要があると考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 2005 2004

すべて 雑誌論文 (2件) 産業財産権 (2件)

  • [雑誌論文] Formation of tau inclusions in knock-in mice with familial Alzheimer disease (FAD) mutation of presenilin 1 (PS1).2006

    • 著者名/発表者名
      Tanemura, K. et al.
    • 雑誌名

      J Biol Chem. 281(8)

      ページ: 5037-5041

  • [雑誌論文] Dynamic rearrangement of telomeres during spermatogenesis in mice.2005

    • 著者名/発表者名
      Tanemura, K. et al.
    • 雑誌名

      Developmental Biology 281(2)

      ページ: 196-207

  • [産業財産権] 生体組織切片前処理液及びこれを用いた生体組織中の核酸及び蛋白質の観測方法2005

    • 発明者名
      種村 健太郎, 近藤 隆
    • 権利者名
      独立行政法人理化学研究所
    • 産業財産権番号
      特願2005-082444
    • 出願年月日
      2005-03-22
  • [産業財産権] 生体組織切片を用いるテロメラーゼ活性の測定法2004

    • 発明者名
      種村 健太郎, 近藤 隆
    • 権利者名
      独立行政法人理化学研究所
    • 産業財産権番号
      特願2004-186530, JP2005/010539
    • 出願年月日
      20040624, 20050602

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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