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2006 年度 実績報告書

加齢に伴うマウス脳構造変化と脳機能の相関

研究課題

研究課題/領域番号 16688009
研究機関国立医薬品食品衛生研究所

研究代表者

種村 健太郎  国立医薬品食品衛生研究所, 毒性部, 主任研究官 (20332322)

キーワード脳 / 発達 / 老化 / 情動行動 / 認知行動 / 細胞内骨格 / 脳構造 / 遺伝子発現プロファイル
研究概要

性成熟直後の生後3ヶ月齢から生後30ヶ月齢までのB6雄マウスを用いて経時的に、行動学的解析を行った。テストバッテリーとして、オープンフィールド試験、新奇物接近回避試験、明暗往来試験、高架式十字迷路試験、恐怖条件づけ試験を行った。その結果、生後12ヶ月齢から15ヶ月齢をピークとして、新規場面における情動性(我々で言うところの判断力に近いものと推測している)、また学習・認知性が向上していくと考えられ、同時に、生後24ヶ月齢以降に、上述の情動性および学習・認知性が低下していくと判断できた。すなわち、性成熟以降においても、脳機能は成長していくと考えられ、脳機能は発生・発達の後に成熟期・成熟維持期を経て老化期を迎えると推測している。神経細胞の細胞内骨格系タンパクに焦点をあわせて、生化学的解析を行ったところ、タウタンパクのリン酸化パターンの加齢にともない大きく変動していることが明らかとなり、同時に微小管タンパクの動態についても、その界面活性剤への溶解性に大きな加齢変化が生じていることが示された。すなわちタウタンパクのリン酸化変動をともなった微小管タンパク安定化が生じていることが強く示唆された。またグリア系細胞の発達も性成熟以降に進行していくことが明らかになった。また脳における神経細胞核内クロマチンの活性度を検討するために、ヒストンの修飾状態を脳スライス切片上で観察する手法を開発した。その結果、生後12ヶ月齢から15ヶ月齢のマウスにおいて、非活性型のクロマチンに比べて活性型のクロマチンの度合いが高い神経細胞は、特に大脳皮質、海馬に多く、そうした活性型クロマチン構造を持った神経細胞は老齢期には減少していることも明らかになった。現在、脳における遺伝子発現プロファイルを網羅的に解析し、本研究で解明した事象を裏付けるメカニズムについて検討している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Electrical stimulation modulates fate determination of differentiating embryonic stem cells.2007

    • 著者名/発表者名
      Yamada M, Tanemura K, Okada S, Iwanami A, Nakamura M, Mizuno H, Ozawa M, Ohyama-Goto R, Kitamura N, Kawano M, Tan-Takeuchi K, Ohtsuka C, Miyawaki A, Takashima A, Ogawa M, Toyama Y, Okano H, Kondo T
    • 雑誌名

      Stem Cells. 25 (3)

      ページ: 562-570

  • [雑誌論文] From the Cover : Indispensability of the glutamate transporters GLAST and GLT1 to brain development.2006

    • 著者名/発表者名
      Matsugami TR, Tanemura K, Mieda M, Nakatomi R, Yamada K, Kondo T, Ogawa M, Obata K, Watanabe M, Hashikawa T, Tanaka K
    • 雑誌名

      Proc Natl Acad Sci USA. 103 (32)

      ページ: 12161-12166

  • [雑誌論文] Loss of M5 muscarinic acetylcholine receptors leads to cerebrovascular and neuronal abnormalities and cognitive deficits in mice. Electrical stimulation modulates fate determination of differentiating embryonic stem cells.2006

    • 著者名/発表者名
      Araya R, Noguchi T, Yuhki M, Kitamura N, Higuchi M, Saido TC, Seki K, Itohara S, Kawano M, Tanemura K, Takashima A, Yamada K, Kondoh Y, Kanno I, Wess J, Yamada M
    • 雑誌名

      Neurobiol Dis. 24 (2)

      ページ: 334-344

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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