研究概要 |
1,半導体担時型有機金属錯体の開発 有機パラジウム触媒定着条件を精査し、10回以上Heck反応に付しても、90%以上の収率が維持できる新規環境調和型有機パラジウム触媒(半導体基板-硫黄-有機パラジウム触媒)を創製した。更に、本触媒の機能についても各種分析機器を用いて調査した。 2,新規ルテニウムカルベン錯体を用いる環化異性化反応等有機合成反応の開発 2-1,触媒的環化異性化反応を開発した。とくに、N-allyl-o-aminostyrene誘導体に適応し、創薬化学上重要な2、3-2置換インドール骨格の新しい合成法を開発した。 2-2,触媒的環化異性化反応を鍵反応として用い、抗菌活性インドールアルカロイド(fistulosin)の世界で初めての合成に成功した。その結果、単離したグループの提唱構造が間違っている事を見いだした。 2-3、ルテニウムカルベン触媒とN-allyl-o-aminostyrene誘導体を用いる置換インドール、キノリン、インドリン新規合成法を確立した。本合成法はDiversity-oriented synthesisの観点からも有用と考えられる。 2-4、酸素濃度および水分濃度1ppm以下のグローブボックス内での実験から、ルテニウムカルベン錯体を用いるノンメタセシス版のうち、異性化と環化異性化反応の活性種がルテニウムハイドライドである事を見いだした。 2-5、ルテニウムカルベン錯体を用いる2-キノリノンの新しい合成法を開発した。(632文字)
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