研究課題
本研究では精子幹細胞を用いた生殖工学技術の開発を目的としている。本年度の実験では一昨年、我々が開発した精子幹細胞の長期培養系(GS細胞培養系)を用いて、homoldgous recombinationにより、遺伝情報を改変したマウス個体の作成を試みた。昨年までの研究でGS細胞への遺伝子導入にはエレクトロポーレーション法が有効であることが分かったので、本年度においてはtight junctionを構成する膜蛋白であるoccludin遺伝子のターゲッティングベクターを用いて相同組替え現象を誘導した。このベクターはnegative selection markerであるDT-Aを含む。120個のstable transfectantをサザンブロッティングやPCR法にてスクリーニングした結果、2個のクローンでhomologous recombinationが認められた。これらのGS細胞クローンを不妊マウスの精細管内に移植し、メスマウスとの交配および顕微授精を用いて子孫を作成した。F1子孫において尻尾DNAをもちいてサザンブロッティングを行い、ヘテロの個体を同定した。ヘテロF1個体同士を交配させたところ、F2子孫においてはゲノムレベルでoccluidin遺伝子が欠損した個体が認められ、ホモおよびヘテロ個体が出現する割合はメンデルの法則にほぼ従っていた。ホモ個体においてoccludinの発現が蛋白およびRNAのレベルで欠損しているかを、ウェスタンブロッティングおよびノザンブロッティング法により確認を試みている
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