1.在宅看護・介護労働者の労働と健康に関する実態調査および作業負担についての検討 1)労働と健康に関する実態調査 大津市内と栗東市内にある3診療所(いずれも同一医療法人が経営)に所属する、在宅看護・介護労働者計103名を対象とし、腰痛・頸肩腕障害に関する質問紙調査および特殊検診を実施した。その結果、過去1ヶ月の頸・肩・腕部の痛み訴え率は、女性のヘルパー(n=46)でそれぞれ4%、7%、18%、看護師(n=48)で25%、25%、13%であった。過去1ヶ月の腰痛有訴率は、ヘルパー59%、看護師67%、就業後の腰痛経験率はヘルパー78%、看護師71%であった。検診の結果、受診者94名中、要休業が1名、要業務軽減および治療が18名であった。なお、比較検討を目的に、別の某医療法人に所属する在宅看護・介護労働者を対象に同様の質問紙を郵送し、現在回収中である。 2)在宅看護・介護労働者の作業負担の検討 調査実施について同意を得た在宅看護・介護労働者および各担当被介護者延べ16事例について、同行の上で作業実態を記録し、15事例については、労働者の肩・腰部から作業中の表面筋電図を記録した。 2.膝あて付き作業ズボンの使用評価 在宅看護・介護労働者15名に膝あて付き作業ズボンの使用評価を依頼した。膝のつき心地は概ね良好だったが、生地が厚い、膝パッドがずれる、膝あて部が邪魔・重い、などの評価があったので、製作会社に改良を依頼した。 3.作業負担軽減のための事例検討 上記1-2)の作業実態記録、チエツクリストによる評価などを参考にして作業負担を検討した結果、7事例について、作業負担軽減策(福祉用具の導入、作業環境の改善、介助技術の助言)を在宅看護・介護労働者と被介護者家庭に提案し、了承を得た。一部については介入研究を開始した。
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