研究課題
情報理論的に安全性が保証される認証技術、認証子つき暗号化技術およびステガノグラフィの研究を行った。まず、情報理論的に安全性が保証される認証技術に関しては、従来の古典的モデルに沿った認証方式において複数の送信者がいる場合、送信者の匿名性を有する認証方式についての強い安全性の概念を提案した。また、この概念の定式化を行うと共に具体的な構成法をも提案した。更に、情報理論的に安全性が保証されるグループ署名についても、安全性の概念の提案、その概念の定式化及び具体的構成法の提案を初めて行った。次に、情報理論的に安全性が保証される認証子つき暗号化技術に関しては、認証子つき暗号化方式として強い安全性の概念を情報理論の立場から初めて解析した。実際、通常の暗号システムでは、暗号化方式、認証方式をそれぞれ単独で利用するのではなく、共に用いることも多く、これまで計算理論の立場からの研究成果は報告されているが情報理論の立場からの研究成果は我々の成果が初めてのものである。本研究では、情報理論的に安全性が保証される認証子つき暗号化方式としての強い安全性の概念を明らかにすると共に、暗号化方式と認証方式を組み合わせて認証子つき暗号化方式を構築する場合、どのような組み合わせ方であれば安全であるかを明らかにしている。最後に、情報理論的に安全性が保証されるステガノグラフィに関しては、新たに強い安全性の概念を提案した上で、その定式化を行った。また、既存の暗号化方式から高い安全性を有するステガノグラフィの一般的なプロトコル構成法を提案した。これは、情報理論的に安全性が保証されるステガノグラフィの構築理論として大きな一歩であると考えられる。
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