研究課題
本年度は情報理論的に安全性が保証される認証・署名技術およびステガノグラフィの研究を行った。まず、認証・署名技術に関しては、情報理論的に安全な認証方式の古典モデルおよび情報理論的に安全な署名方式を利用して、情報理論的に安全なブラインド認証方式およびブラインド署名方式の概念をそれぞれ定式化し、具体的構成法を提案した。ここで、ブラインド署名とは、署名依頼者が署名対象となるメッセージの内容を署名者に秘密にしたまま、署名を付加してもらうことのできる署名方式である。これまで、ブラインド署名は計算理論的に安全な枠組みでは既にその構築方法は知られていたが、情報理論的立場の枠組みでは世界ではまだ構築されていなかった。従って、本成果により、世界で初めて情報理論的に安全なブラインド署名の概念が定式化され、また構成方法も提案されたことになる。次に、情報理論的に安全性が保証されるステガノグラフィについては、その一般的構成法を提案した。その成果の内容は、ある条件をみたす情報理論的に安全な認証子つき暗号化方式が存在すれば、それを用いて情報理論的に安全なステガノグラフィが構成できるという構成理論である。ここで、ステガノグラフィとは、メッセージの内容は勿論のこと、その存在をも秘密裏に送信するための情報ハイディング技術である。以上より、上記の情報理論的に安全なブラインド署名およびステガノグラフィに関する成果は、いずれも、情報理論的安全性を有する暗号技術における構築理論において、大きな進歩であると考えられる。
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Proceedings of the 2006 Symposium on Cryptography and Information Security (SCIS 2006)
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電子情報通信学会 2006年総合大会講演論文集
ページ: S33-S34
Proceedings of The 2005 IEEE Information Theory Workshop on Theory and Practice in Information-Theoretic Security
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Proceedings of Computer Security Symposium 2005 (CSS2005)
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