研究概要 |
本年度は,ネットワーク構成の動的変更が可能なReconfigurable Mesh (RM)及びMesh with Separable Buses (MSB),ネットワーク構成の動的変更ができないMesh with Partitioned Buses (MPB)及びMesh with Multiple Partitioned Buses (MMPB)を対象とした研究を行った. RMは,基本ネットワークトポロジは格子状であるが,各格子点においてネットワークの接続状況を動的に変化させることができるため,MSB,MPB,MMPBよりもネットワーク変更自由度が高いモデルである.MSB,MPB,MMPBは,各行各列にブロードキャストバスが付加されたメッシュ結合型並列計算モデルである.MSBに配置されるバスは,プログラムの実行中に長さの異なる幾つかのセグメントに動的に分割可能である.MPB及びMMPBに配置されるバスは,あらかじめ決められた区間で静的に分断されている.MSB及びMPBでは各行各列に1本ずつバスが付加されるが,MMPBでは各行各列にはL本ずつバスが付加される(L>1). 具体的には,次の3つを示した:1)n^2プロセッサRMの任意の1命令は,m^2プロセッサMMPBを用いればO(n/m(n/m+m^{1/(2L+1)})log n log m)ステップで模倣可能である(m<n), 2)n^2プロセッサMSBの任意の1命令は,n^2プロセッサMMPBを用いればO(n^{1/(2L+1)})ステップで模倣可能である, 3)n^2プロセッサMSBの任意の1命令は,m^2プロセッサMPBを用いればO(n^2/m^2+n^{1/3}))ステップで模倣可能である(m<n).なお,2)および3)の結果は,理論的に最適な結果であることも示した.
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