XML言語が普及するとともに、ソフトウェアに関係するありとあらゆるデータを表現するのにXML言語が利用されるようになってきている。例えばシステムの設定ファイルは、従来ならば専用の文法かあるいはLisp言語で広く普及したS式表現で記述されていたが、このような設定ファイルもXML言語で記述されるようになってきている。XML言語で書かれた設定ファイルは、開発者にとって直接的には読みにくいが、XML言語用に用意されている各種のツールや開発環境を用いて取り扱えるので、それらを使えばかえって扱いやすいという特徴をもつ。また、XML言語は現在では広く用いられているので、XML言語を好む開発者も少なくない。 本研究では、このようなXML言語による設定ファイルを使ったアスペクト指向言語を開発した。そのようなアスペクト指向プログラミング(AOP)言語としては、AspectWerkzやJBoss AOPが有名であるが、それらは汎用的なAOP言語である。本研究では、特定の目的に合わせたAOPシステムを開発した。ひとつはオペレーティングシステム・カーネル内にアスペクト指向によって時間測定コードを埋め込むためのKLASシステムである。またもうひとつは、Java言語で書かれたソフトウェアコンポーネントを結合させるためにアスペクト指向技術を使うGluonJシステムである。
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