研究概要 |
申請時の研究実施計画にもとづいて研究を行った.以下は本年度の研究実績である. 1.ソフトウェアアーキテクチャとライブラリの改良:実験から得られた知見をもとに前年度設計したソフトウェアアーキテクチャとライブラリの改良を行った.具体的には,クライアント・サーバ型のアーキテクチャを修正し,スタンドアローン型のコンピューティングにも効率的に対処できる方式にした.計算機の機能と役割が固定的なクライアント・サーバ型のアーキテクチャは実行時の状況を事前に予測することが困難なユビキタスコンピューティングにおけるソフトウェアのアーキテクチャとして適切ではなく,この修正はユビキタスコンピューティングにおけるソフトウェアの有用性に大きく貢献するものである.こうしたソフトウェアアーキテクチャの修正を受け,前年度に実装したライブラリの改良も行った. 2.コンテキストアウェア機構の設計と実装:前年度に導入したアクティブRFIDシステムのためのコンテキストアウェア機構をライブラリの一部として設計・実装した.具体的には,アクティブRFIDタグの位置を検出する機能を実装した.この機能は単にアクティブRFIDタグの位置検出だけでなく,位置に対する付加的な情報を保持するデータベースとの接続性を考慮し,独立したモジュールとして実装された. 3.メッセージ通信システムの実装と実験:作成したライブラリを用いてメッセージ通信システムを実装し,実験を行った.実験の内容はメッセージのオーバーフローなどシステムの脆弱性に関するものである.前年度とは違い,実装したライブラリを用いてメッセージ通信システムを実装し,ライブラリの提供する表明の機構を用いてシステムの脆弱性を回避する実験を行った.この実験により得られた知見はソフトウェアアーキテクチャとライブラリの設計にフィードバックされた.
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