研究概要 |
本年度は,前年度の研究項目である(A)既存関連技術の調査・分析,(B)パーソナルピアネットワークの基本アーキテクチャの確立,(C)パーソナルピアネットワークミドルウェアの設計と試作の研究成果に基づき,開発したネットワークミドルウェアの改良と,評価用アプリケーションのプロトタイプを用いた評価実験を目標に,新たに2項目(D)パーソナルピアネットワークミドルウェアの改良,(E)評価用アプリケーションの設計・実装と評価実験について研究開発を推進した. (D)パーソナルピアネットワークミドルウェアの改良 前年度設計を行った基本モデルに基づき,全結合仮想ネットワークを探索可能とし,かつ双方向コミュニケーションにおける最大遅延を満足する,新しいアプリケーションレイヤマルチキャストツリー探索手法を提案し,実装した評価用シミュレータを用いた評価実験を行い,従来手法に比べ利用者要求をより満足可能となることを示した.この成果は,複数の研究会で発表した.また,遠隔端末の情報収集時に,回線切断等の要因で欠落した情報を100%回復可能とする新しい遠隔情報収集システム:MobiSNMPを提案した.この成果は,学術論文誌に発表した.加えて,信頼の連鎖に基づくグループ認証法に関する評価を行い,現在学術論文誌への投稿準備を進めている. (3)評価用アプリケーションの設計・実装と評価実験 (D)にて改良を行ったパーソナルピアネットワークミドルウェアを評価するためのアプリケーションの設計・実装,および評価実験を行った.具体的には,下記の(1)〜(2)の2項目について研究開発を推進した. (1)パーソナルピアネットワークミドルウェアを利用した評価用アプリケーションの基本設計と詳細設計とプロトタイプ実装 (a)効果的なQoS調整戦略を決定するやわらかいビデオ会議システムの詳細設計と実装,および, (b)広域分散環境においてグループを形成する利用者が,効果的に共同作業を行うための3次元共生空間アプリケーションのマルチエージェント指向設計とプロトタイプの実装を行った. (2)評価用アプリケーションのプロトタイプを用いた評価実験 (1)で試作したプロトタイプ(a)を用いた評価実験を行い,有効性を確認した.この成果は,学術論文誌にて発表した.
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