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2005 年度 実績報告書

ヘテロで動的なクラスタシステムで頑健な性能を達成する並列処理手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16700053
研究機関東京大学

研究代表者

須田 礼仁  東京大学, 大学院・情報処理工学系研究科, 助教授 (40251392)

キーワードヘテロ並列 / ヘテロクラスタ / 列ベース分割 / Divisible Load / Multi-master divisible load / 漸近最適スケジューリング / 再分散 / LU分解
研究概要

本研究は,ヘテロで動的な並列計算環境における高性能な並列化手法の開発を目的とする.
本年度はまず,高性能科学技術計算において極めて重要な意義を持つLU分解に対して,ヘテロクラスタにおける並列化実装を行った.これまで取り組んできた列ベース分割に加えて,剰余サイクリック分散を新たに提案し採用することにより,最適な負荷分散を確保することができるようにした.実装実験により,行列規模に従って,1次元分割,2次元格子状分割,列ベース分割のいずれもが最適になりうることを示した.但し,ソフトウェアパイプライニングがホモなクラスタのようにはうまく働かないこと,剰余サイクリック分散に伴うオーバーヘッドの存在など,まだ改良の余地は相当にある.また,実効性能は既存のソフトHPLに劣っており,改善が必要である.
また,動的変動に対処するためのデータやタスクの再分散のスケジューリングアルゴリズムとして,multi-master divisible loadモデルにもとづく漸近最適スケジューリングの改良を行った.この改良により,タスク量が大量でない場合にも最適解に近いスケジュールが得られるようになった.さらに,実機実行の結果からスケジューリングに必要となるパラメタを抽出してスケジューリングを最適化する手法を実装した.行列・ベクトル積をタスクとしてこれを適用評価することにより,提案手法の有効性を示した.これまでに均一なネットワークと均一なタスクに対しては満足できる知見が得られているが,不均一なタスクに対する漸近最適スケジューリングについては今後研究を進め,その本質を明らかにしてゆく必要がある.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] 有限サイズのmulti-master divisible load問題に対する再分散スケジューリングアルゴリズム2006

    • 著者名/発表者名
      須田 礼仁, 冨 さやか
    • 雑誌名

      情報処理学会研究報告 2006・20

      ページ: 109-114

  • [雑誌論文] Multi-master divisible loadモデルに対する漸近最適スケジューリングの評価2005

    • 著者名/発表者名
      冨さやか, 須田礼仁
    • 雑誌名

      情報処理学会研究報告 2005・57

      ページ: 51-56

  • [雑誌論文] ヘテロ型クラスタのための2次元列ベース分割における通信スケジューリングと分割の最適化2005

    • 著者名/発表者名
      三森慶卓, 須田礼仁
    • 雑誌名

      情報処理学会研究報告 2005・57

      ページ: 57-62

  • [雑誌論文] Multi-master divisible loadの漸近最適スケジューリングの実機への実装2005

    • 著者名/発表者名
      冨さやか, 須田礼仁
    • 雑誌名

      情報処理学会研究報告 2005・81

      ページ: 37-42

  • [雑誌論文] 2次元列ベース分割によるヘテロ型クラスタのためのLU分解2005

    • 著者名/発表者名
      三森慶早, 須田礼仁
    • 雑誌名

      情報処理学会研究報告 2005・81

      ページ: 127-132

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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