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2004 年度 実績報告書

代数マルチグリッド法と並列処理技術による高速な連立一次方程式の求解法

研究課題

研究課題/領域番号 16700060
研究機関京都大学

研究代表者

岩下 武史  京都大学, 学術情報メディアセンター, 助教授 (30324685)

キーワードマルチグリッド / AMG / ILUスムーザ / 並列処理 / 線形ソルバ / 性能評価 / パラメータ / 自動設定
研究概要

本研究では代数マルチグリッド(AMG)法による高速かつロバストな連立一次方程式の求解法について研究を行った。まず、同手法の高速化について、岩下らが開発してきたガウス=ザイデルスムーザベースのAMGソルバを並列化し、1ノード128CPUを持つ大規模SMP型並列計算機システムFujitsu HPC2500に実装した。ガウス=ザイデルスムーザは逐次型の手法でありそのままでは並列化できないが、本研究ではILU分解前処理の並列化等で利用されているマルチカラーオーダリングをAMG法に導入することを提案した。本ソルバを3次元電磁場解析プログラム内で評価した所、並列化に際するオーバヘッドである反復回数の増加をほとんど抑制し、かつ高い並列化効率を得ることができた。この研究成果はIEEE Transaction on Magneticsに投稿され、発表予定となっている。次に、AMG法のロバスト化については、ILUスムーザベースのAMG法を開発し、実装を行った。ILUスムーザベースのAMGソルバについても並列化を行ったが、その際、ILUスムーザに関連した複数のパラメータを適切に設定することが重要であることが新たに発見された。AMG法はブラックボックス型のソルバであることが大きな特徴(長所)であり、並列化に際してもユーザから提供される最小限の情報で高い並列化効率を得ることが求められる。そこで、ILUスムーザにおけるパラメータ自動設定のために、ILUスムーザの効果に関する簡便な評価法を考案した。同手法をMatrix Marketにより取得したデータにより評価し、高い実用性を検証した。本研究成果は国際学会発表、論文誌発表については準備中であるが、国内学会の発表は既に行っており、高い評価を受けている。そこで、ILUスムーザベースのAMG法の性能改善については来年度も継続的に研究を行っていく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] A Parallel Algebraic Multigrid Solver for Fast Magnetic Edge-Element Analyses2005

    • 著者名/発表者名
      T.Mifune, T.Iwashita, M.Shimasaki
    • 雑誌名

      IEEE Transaction on Magnetics (採択済み)

  • [雑誌論文] ILU分解前処理原復法における節点オーダリングの評価法に関する一考察2005

    • 著者名/発表者名
      岩下武史, 島崎眞昭
    • 雑誌名

      環瀬戸内応用数理研究部会 第8回

      ページ: 49-54

  • [雑誌論文] 不完全コレスキー分解前処理に関するオーダリングの新評価法2005

    • 著者名/発表者名
      岩下武史, 島崎眞昭
    • 雑誌名

      情報処理学会研究報告[ハイパフォーマンスコンピューティング] 101

      ページ: 109-114

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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