研究課題
ベクタ画像検索システムを実現するため、本年度行ったことは以下の2点である(1)ベクタ画像からのオブジェクト抽出に関する研究[1]内容に基づくベクタ画像検索のためには、画像中のオブジェクト間の位置関係(トポロジー)を考慮した検索が必要である。昨年度(平成16年度)は、オブジェクトの位置関係を考慮した検索としてアイコンとスケッチによる画像検索の提案と評価を行った。しかし、この検索では人手でオブジェクト抽出を行っていたため、これを自動化する必要があった。そこで、本年度(平成17年度)はゲシュタルト心理学に基づくベクタ画像からのオブジェクト抽出に関する研究を行った。従来研究等で開発されてきたオブジェクト抽出手法はいずれもラスタ画像を対象としているため、ベクタ画像からのオブジェクト抽出へと適用することは困難であった。そこで、本研究ではベクタ画像の特徴を利用したオブジェクト抽出法を提案し、さらに、比較評価実験により従来手法に対する優位性を確認した。また、本手法の有効性と限界を明らかにした。(2)WEB上の画像を検索するシステムの開発と評価[2][3]近年WEB上に増加しているFlashやSVGなどのベクタ画像を検索するための技術として、内容に基づく検索のほかにも、従来からのテキスト情報に基づく検索も依然有効であると考えられる。テキスト情報に基づく検索は、WEB上のベクタ画像とその近傍のテキスト(HTML)を関連付け、キーワードにより画像を検索するというアプローチである。テキスト情報に基づくベクタ画像検索の実現へ向け、その第一歩として、WEB上で公開されているblogを対象として、blog内の画像を検索できるシステム「もぶろげっと」を開発、評価した。また、開発したシステムは一般公開した。現在検索可能な画像形式はjpgやgifであるが、クローリング対象をベクタ画像(swfやsvg等の画像形式)へと拡張することは容易であり、テキスト情報に基づくベクタ画像検索システムは十分実現可能なレベルに達している。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (3件)
電子情報通信学会論文誌D-I (採録決定)
情報処理学会研究報告(グラフィックスとCAD) Vol.2005, No.5
ページ: 19-24
インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワークショップ(WISS2005)論文集
ページ: 69-74