研究概要 |
データマイニングやデータ解析によって得られた知見を分かりやすく表現し、またその知見が物理的に正しいかどうかを検証するため、可視化が必要である。そこで、本年度はまず可視化に重点をおいて研究を進めた。 本年度は、ナノテク用新材料設計を支援するためデータ範囲から可視化すべき数値を自動計算する、半自動可視化システムについて研究を行った。本システムでは、可視化ソフトウェアAVSを用いて電子状態を可視化し、没入型3次元仮想現実体感システムCAVEに出力する。CAVEは立方体型のスクリーンを持ち、ユーザが内部に入って投影された立体視画像を見て、さらに視点制御やオブジェクト制御することで、仮想現実への高い没入感を得る装置である。可視化ソフトウェアAVSは,このCAVEに可視化画像を出力することができる。 これまでの可視化は、ナノテク分野の研究者がトライアンドエラーによって経験的に可視化する数値を決定していたが、これを支援し、見落とし等を防ぐため、データマイニングやデータ解析によって、データの中で注目すべき数値を自動決定するのが本課題の狙いである。そこで今年度は、入力データの数値範囲を用いて可視化する数値の自動計算を行うインターフェースを備えた可視化プログラムを開発した。これは、データマイニングやデータ解析によって決定した数値を入力するためのプロトタイプ実装に相当する。この結果に基づき5月のナノ学会第3回大会にてポスター発表を行い、専門家と意見交換を行う予定である。
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