研究課題
本研究では、複数の利用者が過去の映像に基づく仮想三次元空間の中で協調作業を行うためのアプリケーションの研究・開発を進めた。まず、部屋の状況を全方位センサを用いた全方位動画像データとして常時記録し、またBluetoothなどのワイヤレスデバイスを用いた簡便なユーザ認証機構を用い、システム利用者が部屋にいる時刻を記録するシステムを開発した。これによって部屋の中で行われる様々なグループミーティングを自動的に記録し、過去に行われたミーティングの状況を即座に参照できるよう、自動的にインデックスを作成する機構を設計した。また、仮想空間の動画像データをマルチメディアメタデータの標準規格であるMPEG-7を用いて記述するための手法を開発した。これによって、本システムで撮影された映像を他の様々なシステムで利用することができるようになり、システムの一般性を増すことが可能になった。さらに、空間内を移動するオブジェクトの軌跡を記録し、あとからその軌跡データを用いて当該オブジェクトを追跡するような映像を自動生成する、全方位映像のパーソナライズ機構の開発も進めた。撮影時に対象を決めて追跡しながら撮影する必要がなく、あとから必要なオブジェクトを選択してパーソナライズされた映像を生成することができるため、映像の利用範囲を広げることが可能になる。このほか、仮想空間を三次元動画像ハイパーメディアとして扱うことによって、より豊かな情報空間として利用できるようにするための手法の検討も進めた。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (2件)
情報処理学会研究報告,2005-GN-55 2005・30
ページ: 111-115
The 2005 International Conference on Active Media Technology (to appear)(印刷中)