研究課題
平成17年度は16年度に考察したベイジアンネットに基づくライフログ検索の枠組みを発展させて以下の研究成果を得られた。まず、多種多様なライフログデータを利用したマルチメディアデータ検索手法の代表例として電子メールと写真に対象を限定し、電子メールに含まれる時間概念表現を利用して写真コンテンツに対して自動的なインデキシング(アノテーション)を行いキーワード検索実現する手法を提案した。この手法では、時間概念の粒度の違いに基づいて重み付けがなされる点に新規性がある。次に、実世界の協調的な活動に基づいて個人コンテンツのアクセス管理を行う枠組みを提案した。提案手法では、活動した時間区間に対してアクセス権を設定可能であるという特徴を有する。さらに、本研究を進めていく中で、ライフログ検索においては個人コンテンツの管理が非常に重要であることがわかった。そこで、それまでのアプローチをより一般化してインターネット上で個人コンテンツ管理を行うためのX-Webデータモデルの枠組みを開発した。X-Webの基本的なモデル化要素はユニットと呼ばれ「コンテンツ」「経験」「主体」の3種類に分類される。この構造により、個人コンテンツの検索や推薦のために重要なコンテンツのコンテクストを蓄積・管理可能となる。ユニット間の関係はランキング関数によって重み付けされ、クエリはランキング関数を巡航することによって指定されるクエリパスによって表現できる。クエリパス上で重みを伝搬させることにより検索・推薦対象となるコンテンツのランク付けする。X-Webでは検索と推薦を統一的な枠組みで利用者の多様な検索・推薦要求に対応可能であるという特徴を有する。また、ライフログに基づくコンテンツ管理の具体的な応用例の一つとして、運転中の振る舞いに基づいて車載オーディオ機器で楽曲を検索する手法を開発し、プロトタイプシステムによる評価実験を行った。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (5件)
第17回データ工学ワークショップ(DEWS2006)論文集http://www.ieice.org/iss/de/DEWS/DEWS2006/
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情報処理学会研究報告 2005・58
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