研究概要 |
高性能なオンライントランザクション処理が求められるデータベースサイトは,TPモニタがトランザクションを計算機クラスタ上の計算機(以下サイトと呼ぶ)に割り振り,単位時間当たりに処理できるトランザクション数増加を図っている. そこで,計算機クラスタ上の計算機資源を有効に活かしきるトランザクションスケジューリングが重要となっている.既存のトランザクションスケジューリングは,単に別々の種類のデータへアクセスするトランザクションをそれぞれ別々のサイトに割り振るものや,参照のみのトランザクションしか扱わないものが中心であり,計算機クラスタ上でのトランザクションの動的なスケジューリング手法は十分に明らかになっていない. 本研究では計算機クラスタ上においてサイト数,各サイトの負荷,トランザクションのデータへのアクセスパターンと発生率の4つを考慮した動的なトランザクションスケジューリング法を開発する.具体的に期間内に次の2つの項目を明らかにした. (1)トランザクションのデータへのアクセスパターンから「ある種類のトランザクションは複数のサイトで実行可能」,「ある種類のトランザクション同士は同じサイトで実行させるべき」などの情報を取り出し,トランザクションを割り振るサイトとサイト数を決定する. (2)サイト数,各サイトの負荷とトランザクションの発生率から動的にトランザクションを実行するサイト数を拡張・縮小し,最適な負荷のバランスを取る. これからの課題として,上記提案手法を実際に実装し,性能評価をおこなっていく予定である.
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