研究概要 |
今年度は,前年度までの研究成果を踏まえて,主に次の二項目に関して検討を進めた. (1)既に開発済みの認識アルゴリズムを改良し,認識性能の更なるロバスト化を図る. (2)形状入力から認識・検出までの一連の処理を,GUIを駆使したシステムとして統合化する. まず(1)については,ガウス型の分布投票と投票パラメータの妥当性チェック処理を導入した新しい認識アルゴリズムを開発した.この方法では,検出対象物の線分情報に加えて輪郭線の主要特徴点情報にも着目しており,従来よりも正確な投票処理が可能となっている.実際にインプリメントして評価実験を進めたところ,これまでよりもさらに安定でロバストな物体検出を実現できることが確認でき,処理時間も(動作クロック2.8GHzのCeleronプロセッサで)1秒前後と,かなり良好な結果が得られた.これにより,本システムの適用範囲はかなり拡がったものと考えている. 次に(2)については,本システムにおける認識処理以外の細かい部分,つまり,画像入力,処理手順指示などのユーザインタフェースに関わる部分を,C++言語によって実現することを試みた.今のところ画像入力部については開発終了しているが,今後,残りの部分を早急に実装して独立した統合化システムとして完成させる必要がある.さらに,OS環境に依存しないJava言語等への移植も試み,より安価な形で本システムを利用者に提供できるよう,一層の実利用化を促進していきたいと考えている.
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